ヴェンゲルの『パス&ムーブ』の志向は変わってしまったのか【後編】

プレミアリーグ

「前編」にてアーセナルの過去のスタイルとカソルラの重要性について書きました。

ここ数年でも、カソルララムジーウィルシャーが好調な時は、中央でパス&ムーブができて、
チームにスイッチが入って、華麗なダイレクトタッチのプレーの連続が起こっていたと思う。

では、カソルラが今シーズン復帰困難、ウィルシャーはレンタル中の今、
アーセナルはどうすればいいのか。

やはり、最重要ポイントはボランチの人選。

以前、ボランチのコンビについての考察を書きましたが、
その時はチェンバレンがまだボランチ起用される前であった。

パス&ムーブへの適応度でいうと、個人的には、
ラムジーチェンバレンエルネニージャカコクラン
であると考える。

これまで同様に4-2-3-1ならば、ダブルボランチのチョイスとしては、
チェンバレンコクランがいいのではないか。

できれば2人ともパス&ムーブに適した選手をチョイスしたいが、
一定の守備力を満たすためには、今のメンツでは、コクランを起用せざるを得ない。

期待を言えば、コクランにもう少し攻撃的センスを磨いてもらうか、エルネニーがもっと守備力を上げるしかないか。

ラムジーに関しては、もちろんパス&ムーブに適した選手ではあるが、
最前線まで上がってしまう傾向があるのと、低い位置での組み立てがあまり得意ではないため、
バランスが崩れやすい。

エルネニーはパス&ムーブができるタイプのはずであるが、
リスクのあるパスが少なく、どうしても横パスが多くなってしまう印象。
パス精度と自信を上げて、もっと中央の狭いところでも縦パスを入れられるようになれば期待できる。

チェンバレンはボランチ起用されてまだ数試合であるが、
もともとの良さであるドリブルを徐々に中央でもできるようになってきたのと、
低い位置での組み立てもテンポがよくできるので、
今後の成長に期待して使い続けてほしい。
うまく成長すれば、カソルラのような、パス&ムーブの動きができるボランチになれる可能性もあるのではないか。
ヴェンゲルも以前、チェンバレンは将来的には中央のポジションの選手になる資質があると言っていたが、
それを示せるか、今がターニングポイントである。

ジャカを昨夏に獲得したが、ヴェンゲルどういう役割を与える想定をしていたのかが気になる。
確かに高精度のロングパスは非常に魅力ではあるが、
それは逆に、「パス&ムーブ」から遠ざかることになるのではないか。

シーズン序盤、ジャカ&カソルラという試合があったが、それが理想だったのか。
確かに、パス&ムーブを基本としつつ、さらに後方からピンポイントのロングパスも攻撃の形にできれば、チームとしてワンランク上に行けたのかもしれない。
しかし、ラフプレー癖の矯正と守備力向上がなければ、それは叶わないだろう。

次は、前線の人選。

ワントップには、ジルーをチョイス。

もちろんサンチェスのが機動力がありいろいろなことができるが、
ジルーポストプレーダイレクトで落とす正確なプレーは、パス&ムーブで2列目・3列目の選手が
上がっていくためには必須だろう。

トップ下はエジルで間違いないが、もう少しジルーの近くでプレーしてほしい。
ボランチが機能しているかどうかにもよると思うが、
下がったりサイドに流れたりするプレーがここのところ多く、それによってエジルの能力の高さが発揮できていないと思う。

そしてサイドには、左にサンチェス、右にウェルベックを起用したい。

サンチェスどこに置いても流動的に動き回りボールを欲しがるのは変わらないと思うので、
ワントップでそのプレーをされるよりは、サイドで崩しの起点としてやってもらうほうがいいだろう。
そうすれば、エジルサンチェスのキープ力を信頼して、必要以上に動くこともなくなるのでは。

そして右にはウェルベック。コンディションがそろそろ万全になったであろう今、
ウォルコットも調子が上がらないので、是非ウェルベックをスタメンで起用してほしい。
スピードがあるのはもちろんのこと、あまりボールを持ちすぎず、周りを使うことも使われることも
非常にバランスよくプレーできる選手
だと思う。

サンチェスがどちらかいうと足元でボールをもらって中央に絞りたがるのに対して、
ウェルベックは縦に行くこともできるし、斜めに中央に入ってジルーを追い越すこともでき、
左右のタイプのバランスとしても良いはずである。

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いずれにしても、チーム全体として攻撃のビジョンの共有ができていないことが一番の問題であるが、試合がなかったこの2週間でそのあたりが改善されていることを願いたい。

いっそのこと、4-3-3に変更するくらいの変化をしてもいいと思うが、
ヴェンゲルがシーズン途中にそこまで変更する可能性は少ないか。
また、中盤を3枚にした際に、ラムジーが生きる一方、エジルを使いにくくなるのがネックである。
正直、今のメンバーでヴェンゲルはどういうフォーメーションでどういうサッカーがしたいのかが全く見えない。
魅力的なサッカーでタイトルに届かないシーズンが続き、今度はワールドクラスを補強することで
あと一歩のところを埋めようとしたのかもしれないが、完全に迷走しているようにも思える。

ヴェンゲルもいつまで続けるかわからないが、ヴェンゲルにしても新監督になるにしても、
アーセナル「パス&ムーブ」を基本とする魅力的なサッカーをするチームであり続けてほしい。

P.S.
やはり守備的ボランチの活躍っていうのは、攻撃的なサッカーを目指すチームでは必須だと思う。
アーセナルの過去を考えても、ヴィエラジウベルト・シウバソングフラミニ(第1期)、コクラン(覚醒期)など、
守備的ボランチの選手の貢献度が高いときは、チームのパフォーマンスが高かった印象がある。

いまさらながら、コクランで満足せず、カンテを獲得できていれば・・・と考えてしまう。

また、CL見てたら、カソルラの代役ができる選手として、
ヴェラッティとかチアゴ・アルカンタラアーセナルに来て欲しいと思った。。


アーセン・ヴェンゲル ―アーセナルの真実―

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