日本対タイ レビュー【W杯アジア最終予選2017】
2017/03/28 ワールドカップ・アジア最終予選
日本 4ー0 タイ
8分 香川
20分 岡崎
57分 久保
83分 吉田
フォーメーションはいつもの4-2-3-1。
大迫の代わりに岡崎がトップに入り、ボランチにはクラブでボランチをやっている酒井高徳が入った。
序盤、引いて守ることが予想されたタイであったが、意外にも前からプレスをかけてくる。
7分、森重からのロングフィードで久保が右サイドでボールを持つと、早いグラウンダーのパスは香川のもとへ。
DFが2人寄せるがフェイントで交わして落ち着いて流し込む。日本先制!
19分、セットプレイの流れから森重がヘディングですらして久保に渡ると、早いクロスに岡崎がニアで合わせてゴール。日本追加点。
タイはハーフウェーラインを超えさせないように守備ブロックを築き、日本はビルドアップに苦しむ。
DFとボランチがビルドアップ時にボールロストする場面が目立つが、タイのカウンターの精度が低いため、決定的なピンチにはならない。
逆に、日本は裏へのロングボールを起点にチャンスにつながる場面が多い。
前半終盤、タイに押し込まれ、あわやゴールというところでなんとかブロック。
前半を日本が2点リードで折り返す。
酒井高徳がボランチに入った以外はほぼほぼいつも通りのメンバーであったが、
長谷部がいない分、ビルドアップ時のDFとボランチの意思疎通が悪く、組み立てられないシーンが目立った。
しかし、好調の久保を起点に少ないチャンスをゴールを結びつけた前半である。
後半も変わらず、日本はリードしながらも落ち着いた試合運びができず、ビルドアップに苦労する。
57分、右サイドのスローインが久保に渡り、そのまま中央に斜めに入ると、PA手前からシュートを突き刺す。日本3点目。
65分、原口に代えて本田を投入。本田はそのまま左サイドに入る。
代わって入った本田が積極的にボールに絡む。
73分、香川に代わり、清武を投入。
83分、清武の左コーナーキックから吉田がヘディングで合わせる。日本、4点目。
84分、久保に代わり宇佐美を投入。
その直後、長友がPK献上。しかし、これを川島が読み切り、PKストップ!
そのまま、日本が4ー0で勝利。
結局、試合を通じて、落ち着いたビルドアップからの崩しはほとんどできず。
明らかに格下であったにも関わらず、カウンターの応酬に付き合ってしまった。
最終予選は難しいと言うが、今日はそれに当てはまる試合ではなく、
ホームであり、相手が良いパフォーマンスをしたわけでもない。
個人の能力の差による結果としての4点差であって、
チームの出来としてはまったく合格点ではないだろう。
やはり、長谷部の代わりができるボランチの発掘は課題として残るだろう。
候補としては、今野、高萩、倉田、小林祐希、大島、中村憲剛、柏木、柴崎だろうか。
個人的には、小林祐希、大島、柴崎らの突き上げに期待したい。
サイドは、これで原口と久保のスタメン固定で問題ないだろう。
ワールドカップまでの伸びしろを考えても、適切な世代交代が進んだと言える。
久保は、シュート時の落ち着き具合とそのイメージ通りに蹴れるキック精度が素晴らしい。
久保の得点能力を活かすために、2トップもしくは1.5列目での起用もオプションとして試してほしいところではある。
この連勝により、最終予選突破の視界が開けてきたが、早く突破確定を決めるとともに、チームの成熟を高めていってほしい。
UAE戦で機能した4-3-3は有効なオプションの1つであると思うし、
メンバー選考としても、FWの控え、ボランチ、DF陣は、本大会までに新戦力が台頭してほしいところである。
残るは6月と8月になるが、より多くの選手がクラブで好調を維持した状態で代表に合流して、
激しいポジション争いをすることでチーム全体としてレベルアップを図っていってほしい。