コシェ復帰!サカがアピール!アーセナル 対 カラバフ レビュー【2018/19 EL GS第6節】
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試合結果とフォーメーション
2018/12/13 ヨーロッパリーグ GS第6節
アーセナル 1-0 カラバフ
16分 ラカゼット
すでにグループステージ首位通過を決めているアーセナルとグループステージ突破の可能性が消滅しているカラバフの一戦。
アーセナルは負傷明けのコシェルニーとエジルが週末のリーグ戦に向けたコンディション調整で出場。ELの前節に途中出場でトップチームデビューを果たした17歳のサカが2列目左でトップチーム初スタメン。
序盤からアーセナルが力の差を発揮して完全に押し込む展開。カラバフは5-3-2で引いて、中央を固めてゴール前に進入させない作戦。アーセナルはエジルがハーフスペース低めに顔を出して突破口を開こうとする。
16分、アーセナルが前線でボールを奪うと、エジルがPA内のラカゼットに素早くパス。ラカゼットはDFと競りながらもわずかにシュートコースを作り、右足を振り抜いてゴールネット左隅に突き刺す。アーセナルが先制。
その後も終始アーセナルペースで試合が進む。
後半に入ると、アーセナルは徐々にレギュラークラスを交代。63分にラカゼットを下げてメドリーを投入。メドリーは左SBに入り、ナイルズが2列目右、エンケティアがトップに変わる。
72分にはコシェルニーに代えて、モンレアルを投入。コシェルニーは問題なく復帰戦を終える。週末のリーグ戦でコシェルニーとともにCBとして出場が予想されるモンレアルはそのままCBに入る。
83分には、エジルに代えてギルモアを投入。ギルモアはボランチに入り、ウィロックがトップ下に。
カラバフはDFの枚数を減らして同点を目指すものの、最後まで効果的な攻撃はできず。
88分、速攻で右サイドを突破したアーセナルは、PA内でサカがGKと1対1。余裕を持って打ったシュートはGKに止められてしまい追加点のチャンスを逃す。
しかし、そのままアーセナルが力の差を見せて逃げ切り、ヨーロッパリーグのグループステージを無敗で終えた。
【PickUpData】1点差ながら圧倒的な力の差を見せたアーセナル
マッチスタッツ(左:アーセナル、右:カラバフ)
引用:SofaScore.com
カラバフはシュートわずか1本に終わり、防戦一方となった。アーセナルはドリブル数、デュエル勝利数で圧倒し、引いて守られながらも個の力の差を随所で見せた。
平均ポジション(左:アーセナル、右:カラバフ)
引用:whoscored.com
アーセナルは中盤より前の選手がすべて敵陣内であり、逆にカラバフは中盤より後ろの選手がすべて自陣低めになり、アーセナルが押し込み続けた内容がよく表れている。
攻撃サイド(左:アーセナル、右:カラバフ)
引用:whoscored.com
中央を固められたアーセナルはサイドからの攻撃が多くなった。
ヒートマップ(左:アーセナル、右:カラバフ)
引用:whoscored.com
アーセナルは、カラバフの5-3-2の守備ブロックの外側でボールを回す時間帯が多く、ヒートマップには如実にそれが表れている。
ゴール期待値、パスマップ
Passmaps & xGplot for Arsenal against FK Qarabag. #passmap #xGplot #autotweet pic.twitter.com/n7TZgIYFkb
— Between The Posts (@BetweenThePosts) 2018年12月13日
ゴール期待値は、アーセナルの1.44点に対して、カラバフは0.22点となった。シュート1本のみに終わったカラバフのゴール期待値は妥当であると言えるだろう。
17歳のサカが好パフォーマンスを披露
スタメンフル出場を果たした17歳のサカがアピールに成功。またしても攻撃的ポジションで期待の若手が表れた。
サカのスタッツとヒートマップ
引用:SofaScore.com
終盤の決定機を外してしまいゴールに絡むことはできなかったものの、キーパス1本、枠内シュート3本、ドリブル10本のうち8本成功というプレー内容でMOM級の活躍を見せた。
まだ17歳であり、左利きという点も魅力で、相手のレベルの差はあれど、積極的なドリブル突破とシュート意識の高さは今後を大いに期待させる選手である。スミス・ロウとともに数年後に攻撃的選手としてアーセナルを引っ張る選手となるかもしれない。
また、途中出場したメドリーは、前節と異なり左SBでプレー。195cmの上背に加えて左足のキックの精度は目を見張る物があり、CBと左SBでプレーできる点も含め、今後に期待したい。
若手起用ながら首位通過決定!ヴォルスクラ 対 アーセナル レビュー【2018/19 EL GS第5節】
左SBでスタメン出場し、途中から2列目右でプレーしたナイルズ。今シーズンもユーティリティープレイヤーの枠を抜け出せずにいるものの、そのうっぷんを晴らすかのように、2列目に移った途端にドリブル突破を何度も見せた。トップチームのボランチはジャカ、トレイラ、ゲンドゥージが完全に序列を固めており、ナイルズはボランチとしてなかなかチャンスも得られない状況。テクニックもあり、攻守に貢献できるプレースタイルであることから、チャンスを得られればボランチの序列に割り込むポテンシャルは持っているはずであるが、果たして今シーズン中にチャンスを得ることができるだろうか。
コシェルニーとエジルの負傷明けの調整が完了
コシェルニーが負傷を乗り越え、7ヶ月ぶりにトップチームの公式戦でスタメン復帰を果たした。
コシェルニーのスタッツとヒートマップ
引用:SofaScore.com
アーセナルが押し込む時間帯がほとんどであり、守備でのプレーは殆どなかったものの、負傷の再発も無く、これで自信を持ってリーグ戦に臨むことができるだろう。ホールディングのシーズン絶望もあり、今後はパパスタソプーロスとムスタフィとともにCBとして出場機会が増えるはずであり、頼れるキャプテンの復帰により、より一層チームの安定感が増すことも期待できるだろう。
常時レギュラー起用は難しいかもしれないが、リーグ戦、EL、カップ戦を両立していく中で、欠かせない戦力となることは間違いない。
エジルのスタッツとヒートマップ
引用:SofaScore.com
エジルが1ヶ月ぶりの実戦復帰で83分プレー。相手の引いた守りに対して、左右のハーフスペースでボールを受けるプレーを何度も見せ、違いを見せて攻撃を牽引した。
ラカゼットとオーバメヤンの同時起用が多いものの、FWの控えが乏しいことを考えると疲労の蓄積が心配であり、エジルの復帰により、FW1枚を休ませる選択もしやすくなっただろう。2列目のチョイスとしても、イウォビは好調をキープしているものの、ムヒタリアンはなかなかパフォーマンスが上がらず、エジルの復帰により2列目全体のパフォーマンスが上がることにも期待したい。
公式戦22戦連続無敗をキープ。ELは決勝トーナメントへ
これで公式戦22戦連続無敗をキープした。まだまだ厳しいハードスケジュールが続き、次週にはカップ戦でノースロンドンダービー、年末にはリーグ戦でリバプール戦を控えるが、どこまで連続無敗を伸ばせるだろうか。
負傷や出場停止という悪いニュースもあるものの、ビッグマッチ2連戦を乗り越えたことで、一時の低調なムードからは脱却しつつあると言える。
ヨーロッパリーグでは、次は決勝トーナメントでの戦いとなり、グループステージよりワンランク上の試合となることは間違いない。再開は2月となるものの、それまでに控えメンバー含め、チームの総合力をどこまで伸ばせるかが鍵になるはずである。
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