状況を一変させた退場。レンヌ 対 アーセナル レビュー【2018/19 EL ラウンド16 1stleg】

2019年3月8日CL・EL

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試合結果、スタメン、フォーメーション

試合結果

2019/03/07 ヨーロッパリーグ ラウンド16 1stleg
レンヌ 3-1 アーセナル

3分 イウォビ

42分 ブリジョー

65分 モンレアル(OG
88分 サール

2018/2019シーズン ヨーロッパリーグ ラウンド16 1stleg レンヌ対アーセナル スタメンとフォーメーション

【レンヌ】基本:4-4-2 守備:4-4-2
【アーセナル】基本:4-2-3-1 守備:4-4-2

 

ヨーロッパリーグのラウンド16。レンヌのホームで1stlegを戦う。

アーセナルは、ラカゼットが出場停止のためオーバメヤンがトップに入る。右SBにはこの試合でも継続してムスタフィを起用。

前節の振り返りはこちら
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試合経過と両チームの狙い

【前半】 退場により状況が一変

序盤からレンヌが強めに前からプレスをかけてきてトランジション合戦になりそうな雰囲気を見せるものの、アーセナルは落ち着いてボールを回す。

試合が動いたのは開始早々3分。左サイド深くでボールを受けたイウォビがCBとGKの間の際どいコースに入れたクロスはそのまま抜けていきキレイにゴール隅に吸い込まれる。アーセナルが先制!

アーセナルの攻撃とレンヌの守備

レンヌ4-4-2ブロックに対してアーセナルはDFラインとボランチで落ち着いてボールを回しつつ、斜めのパスダイレクトパスを織り交ぜて守備ブロックの隙間を突いて前進。

特にエジルレンヌの中盤の隙間を意識して常にポジショニングすることでジャカからの縦パスを引き出し、一気に最終ラインと対峙するシーンを作っていった。

アーセナルの攻撃

  • 【定位置攻撃】 ジャカからエジルへの縦パス → サイドへ展開
  • 【ポジトラ(ボール奪取時)】 縦に早め

レンヌの守備

  • 【守備ブロック】 4-4-2 ミドルゾーンでブロック 前からプレス

 

レンヌの攻撃とアーセナルの守備

アーセナルレンヌと同じく守備時は4-4-2。中盤ではグルニエが積極的にボールに絡んで散らすプレーを見せ、さらに2トップの一角のベン・アルファが流動的に動いてサイドに開いたり下りて受けたりして、局所的な数的優位を作って前進に貢献。

主に右サイドのサールモンレアルを背負いつつ縦パスを受け、そこからボランチを経由して左サイドへサイドチェンジするパターンが目立った。

レンヌの攻撃

  • 【定位置攻撃】 右サイドから前進し左サイドへサイドチェンジ
  • 【ポジトラ(ボール奪取時)】 ボールを繋ぐ

アーセナルの守備

  • 【守備ブロック】 4-4-2 ミドルゾーンでブロック

 

試合はその後もリードするアーセナルが落ち着いて進めていく。

迎えた40分、パパスタソプーロスがスピードで抜け出しかけたサールを後ろからファールし2枚目のイエローで退場アーセナルは前半のうちに10人になってしまう。

そしてそのファールで得たレンヌのFK。ブリジョーが直接狙ったボールは壁に当たるも、跳ね返ったボールをブリジョーが再びシュート。鋭いシュートがゴールネット右隅に突き刺さり、レンヌが同点に追い付く。

【レンヌ】基本:4-4-2 守備:4-4-2
【アーセナル】基本:4-3-1-1 守備:4-3-2

 

10人になったアーセナルは、ムヒタリアンを右SBにし、イウォビは内側に入って3センターに。4-3-1-1のようなフォーメーションに。

前半は1-1で折り返す。

前半のスタッツ

前半のスタッツ(左:レンヌ、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com

前半のシュート数は、レンヌ7本に対してアーセナル6本

【後半】数的有利を活かすレンヌ

ハーフタイムでアーセナルは変更なし。後半は数的有利になったレンヌの勢いが増し、勝ち越しを狙って果敢に攻める。

アーセナルは1人少ないものの、ラインを高くして前からプレスをかけ、引かずに対応。攻撃では、オーバメヤンがサイドに開いて前線で起点を作ろうとし、ボールを保持した際にはエジルが低めに下りてボールを散らし、トレイラが前目にポジションを取る形に。

53分:【アーセナル】イウォビ → ゲンドゥージ
3センターの一角に入っていたイウォビに変えて本職のゲンドゥージを投入。攻守におけるポジショニングや攻撃時の展開力を期待しての投入だろうか。

レンヌは、SH・SB・ボランチが絡んでサイドからひたすら崩そうとし、サイドチェンジも織り交ぜながら数的不利のアーセナルのスペースを突こうとする狙い。左ではブリジョーがカットインからのシュートを狙い、右ではサールがスピードを生かしてモンレアルの裏のスペースを狙い続ける。

迎えた64分、レンヌの右サイド深くからのクロスがモンレアルの腰に当たってボールはゴールの中へ。レンヌアーセナルのオウンゴール勝ち越しに成功する

70分:【アーセナル】エジル → ラムジー

73分:【レンヌ】ブリジョー → シリキ

レンヌがペースを握ったまま時間が進む。アーセナルは数的不利ながらゴールを目指すもチャンスを作れず。

79分:【アーセナル】オーバメヤン → コラシナツ

【レンヌ】基本:4-4-2 守備:4-4-2
【アーセナル】基本:4-4-1 守備:4-4-1
 

アーセナルコラシナツを投入して4-4-1気味に変更。守備時はレンヌの右サイドからの攻撃を抑え、攻撃ではコラシナツの推進力を活かしたい狙い。

アウェイで数的不利ながらゴールを目指して前掛かりになるアーセナルであるが、87分、押し込んだところでボールを奪われると、そこからレンヌのカウンターが発動。右から左に展開して一気にゴール前までボールを進めると、ファーで右サイドから走り込んだサールへ絶妙なクロス。これをサールがヘディングで合わせてレンヌが追加点!

91分:【レンヌ】グラニエ → ジェラン

パパスタソプーロスの退場後に試合を優勢に進めたレンヌが3得点を奪い、1stlegはホームのレンヌが3-1で勝利を納めた。

後半のスタッツ

後半のスタッツ(左:レンヌ、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com

レンヌが後半だけでシュート12本。サイド攻撃を果敢に仕掛けてドリブル16回。しかし、アーセナルチェフ5本セーブで2点差に留めた。

 

【PickUpData】ゴール期待値の差はわずか0.3点

試合の流れ

 

 

前半は開始早々にリードしたアーセナルが優勢に進めつつ、それほど両チームともに大きなチャンスは無いまま進んだものの、40分のパパスタソプーロスの退場により試合は一変。その後はレンヌが優勢に進め、アーセナルムヒタリアンがSBで奮闘するなどして防いでいたものの、最終的にはレンヌが3得点で逆転した。

マッチスタッツ(左:レンヌ、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com

終わってみればレンヌシュート19本ドリブルは合計22回で、そのうちの半数が成功

平均ポジション(左:レンヌ、右:アーセナル)
引用:whoscored.com

レンヌは後半に押し込んだため、両SB(2と15)の位置が非常に高く、さらに右サイドのサール(7)は2トップと同じ高さとなった。

攻撃サイド(左:レンヌ、右:アーセナル)
引用:whoscored.comヒートマップ(左:レンヌ、右:アーセナル)
引用:whoscored.com

ゴール期待値、パスマップ

【ゴール期待値】
レンヌ1.46点
アーセナル1.13点

レンヌが押し込んだものの完璧に崩したシーンは少なく、ゴール期待値それほど差がない結果となった。

【PickUpData】ベン・アルファの流動的なプレーとサールのサイドアタック

後半のベン・アルファとサールのドリブル
引用:whoscored.com

数的有利でスペースを得たレンヌは、ベン・アルファが自由に動いてボールを受けつつドリブルでアクセントを付け、サールはスピードを活かしてモンレアルをぶっちぎるシーンを何度か見せた。

ベン・アルファのスタッツ
引用:SofaScore

2トップと言うよりはシャドーやトップ下のような形で流動的にプレーしたベン・アルファドリブルは1人で12回仕掛けて、そのうちの7回が成功キーパス3本で、4本ロングボールすべて成功デュエルでも半数以上を競り勝ち、アクセントを付ける存在として際立っていた。またゴールには繋がらなかったものの、直接フリーキック2本はいずれも枠内に飛んでチェフを脅かした。

サールのスタッツ
引用:SofaScore

前半はモンレアルに抑えられがちだったサールであるが、後半にスペースができると躍動し、貴重な3点目を挙げた。シュート4本キーパス2本ドリブル6回を記録し、積極的に攻撃に絡んだ。

エメリの采配に疑問が残る結果に

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ナイルズを投入せずにムヒタリアンを右SBとしてプレーさせ続け、サイドの選手を投入して4-4-1にしたのは終盤で、3センターで対応しようとしたエメリ。途中出場のゲンドゥージが低パフォーマンスに終わったことも加わり、エメリの交代策に疑問が残る結果となった。

ムヒタリアンは右SBでも奮闘したと言えるが、好調であった攻撃時のプレーをSBのポジションでは活かすことができず、さらに同じく好調なイウォビも早々に下げてしまったため、数的不利の中での攻撃のアクセントが乏しくなってしまった。

イウォビの交代も後半開始数分後という微妙な時間帯。IHとしての役割を指示したものの物足らず、本職のゲンドゥージに変えたと考えれるが、ゲンドゥージエメリの求めるプレーができていたのだろうか。

選手の調子を踏まえても、オーバメヤンイウォビムヒタリアンの3人でカウンターやドリブル突破を狙うほうが可能性があったように思える。

ゲンドゥージには攻撃時のボールキープ・展開力が期待されていたと考えられるが、ボールに絡んだ回数はそれほど多くなく、さらにはポジションを動かしがちなプレーが結果的に守備ではマイナスになった。さらには数的不利の中での途中出場ながら走力で味方をカバーする姿勢が足らず、結果的に3失点目のシーンでの戻りの遅さが批判を浴びることに。まだ19歳であり、若さゆえの経験不足が響いたのかもしれない。エメリは数的不利という厳しい状況の中での采配で、結果的にはレンヌを助けることとなった。

 

勝ち抜けには2ndlegでの2点差以上の勝利が必須

ホームで迎える2ndlegでは2点差以上での勝利が最低限必要となり、さらにアウェイゴールを奪われると厳しくなる状況。レンヌは引いて守りつつ、カウンターとセットプレーでアウェイゴールを目指すことが濃厚だろう。

ベン・アルファのセットプレーのキックの質は高く、サールに加えてニアントラオレといったスピードある選手によるカウンターも脅威になりうるだろう。

しかし、この試合の前半はレンヌのサイドアタックをある程度抑えることができており、11対11ではそこまで簡単には破られないかもしれない。また、攻撃でも中盤で縦パスを通せるシーンが多く、レンヌの守備はそれほど硬くないのではないだろうか。

レンヌの引き気味の守備をどれだけ剥がせるか。そして、時間の経過とともに前掛かりになった後ろのスペースをカウンターの脅威に晒されるのが想像に難くない。

まずは週末のリーグ戦のマンチェスター・ユナイテッド戦に気持ちを切り替える必要があるが、今後の2試合が今シーズンの結果を左右する最重要マッチとなりそうである。

前節の振り返りはこちら
終わってみればやっぱり激闘。トッテナム 対 アーセナル レビュー【2018/19プレミア第29節】

セットプレーを活かして勝ち抜け。アーセナル 対 バテ・ボリソフ レビュー【2018/19 EL ラウンド32 2ndleg】