準備してきたFC東京と対応力を見せたフロンターレ。川崎F 対 FC東京 レビュー【2019 J1 第1節】

2019年2月24日Jリーグ

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試合結果と試合経過、両チームの狙い

試合結果

2019/02/23  J1 第1節
川崎F 0-0 FC東京

スタメンとフォーメーション

2019シーズン J1 第1節 川崎フロンターレ対FC東京

【川崎F】基本:4-2-3-1 守備:4-4-2
【FC東京】基本:4-4-2 守備:4-4-2
 
フロンターレは、1週間前のゼロックススーパーカップと同じスタメン11人を起用。新戦力のダミアンマギーニョがスタメンでリーグ戦デビュー。

FC東京4-4-2で、トップにオリヴェイラ永井を並べ、右サイドには久保をスタメン起用。

ゼロックススーパーカップの振り返りはこちら
【せこさん】ゼロックススーパーカップのレビュー
 

【0~15分】繋ぎまくるフロンターレ

序盤からFC東京前から強めにプレスをかけていくものの、フロンターレはダイレクトパスを繋ぎ、必要に応じて中盤の選手が後方に下りてサポートすることで、FC東京のプレスをかいくぐる。

FC東京は徐々に前からのプレスを弱め、ミドルゾーンに守備ブロックを引くようになる。

フロンターレがボールを支配する展開になるも6分、FC東京久保がカウンターで右サイドを突破すると、逆サイドでフリーになっていたオリヴェイラにパス。オリヴェイラがPA内でフリーでダイレクトシュートを打つも、うまくミートできずにシュートはGKの正面。FC東京はチャンスを生かせず。

フロンターレの攻撃とFC東京の守備

フロンターレのビルドアップ時FC東京4-4-2の布陣とし、フロンターレ守田がCB間に下りることで後方で数的優位を作り、余裕を持ってボールを回す形。

トップ下の憲剛は主に左ハーフスペースあたりにポジションを取り、左サイドの家長と近い位置でボール交換する。

逆サイドではマギーニョが高い位置を取り、サイドチェンジに備える。

小林は内側に絞る左SBの小川のすぐ外に位置し、外から裏、もしくは森重-小川の間を裏に抜けようとする動きで相手を揺さぶり続ける。ゼロックススーパーカップではダミアン中央で2トップ気味のポジショニングに見えたが、この試合ではよく見るとSBと駆け引きするポジショニングを常に取っていた。これにより、小川が内側に絞ればマギーニョがよりフリーになり、小川マギーニョを警戒すれば、小林が内側もしくは裏抜けでボールをもらいやすくなり、相手に2択を迫る意図があっただろう。

フロンターレの攻撃

  • 【定位置攻撃】 左サイドの密集による数的優位と右サイドのスペース活用
  • 【ポジトラ(ボール奪取時)】 ①速攻 ②繋いで遅攻

FC東京の守備

  • 【守備ブロック】 4-4-2 ミドルゾーンまでリトリート
  • 【ネガトラ(ボールロスト時)】 ディレイしつつリトリート

 

FC東京の攻撃とフロンターレの守備

FC東京のビルドアップ時フロンターレはいつも通り4-4-2の布陣となるが、FC東京はボランチ1枚がCB間に下りて数的優位を作りつつ、両SH(東、久保)フロンターレSH-ボランチ間に位置してボールを受けようとする。

FC東京後方3枚+両SBで比較的余裕を持ってボールを回しつつ、スキを見て間のボランチ中に絞るSHへボールを入れることで前進を図った。

両SHは常に低い位置を取るわけではなく、SHとボランチの間でマークしづらいポジショニングをしつつ、後方からボールが出てくるタイミングで下りる動きを見せていた。これにより、守備側が付いてきてもボールに先に触れることができ、さらに守備側が空けた裏のスペースを続けて他の選手が狙いやすいように連動した動きを見せていた。

純粋なサイドアタッカーでなく、中央でもプレーできボールコントロールに優れる久保の特徴を活かした形と言えるだろう。

前進に成功したら、右SHの久保が中央や特には左サイドまで寄り、左サイドで数的優位を作ってファイナルサードで仕掛ける場面を増やした。

FC東京の攻撃

  • 【定位置攻撃】 後方での数的優位から左サイドで前進
  • 【ポジトラ(ボール奪取時)】  永井のスピードを活かした速攻

フロンターレの守備

  • 【守備ブロック】 4-4-2 前からのプレス強め
  • 【ネガトラ(ボールロスト時)】 密集してボール奪取を狙う

【15~30分】ペースを掴むFC東京

ビルドアップで優位を作るやり方を準備してきたFC東京が次第にペースを掴み、ボールを保持する場面を増やしていく。しかし決定機には至らず。

【30~45分】トランジション合戦(行ったり来たり)

FC東京のビルドアップを防げないフロンターレは、30分過ぎから守り方を若干変更。

前線の選手でボールサイドを絞ったあと、SH、SBが前から積極的に寄せてプレスをかけることで自由に前進させないようにする狙い。裏のスペースが空きやすくなり、永井とCBが1対1となるリスクはあるものの、前から強めにプレスをかけることでロングボールすら蹴らせないことで防ごうとする。

38分にはFC東京のビルドアップに対して、(フロンターレの)右サイドでボール奪取に成功している。

試合は39分、FC東京が右サイドで得たフリーキックを蹴るのは久保。直接狙ったシュートは鋭い弾道でゴールポストを叩き、惜しくもゴールとならず。

前半をスコアレスで折り返す。

前半のスタッツ

前半のスタッツ(左:川崎F、右:FC東京)
引用:SofaScore

フロンターレがボールを握る時間帯が多かったものの、シュート数フロンターレ4本に対して、FC東京3本ビッグチャンスフロンターレ0回に対して、FC東京1回となった。

【後半開始~53分】守備を変えたフロンターレ

前半の終盤から前へのプレスを強めたフロンターレは、それをそのまま継続し、さらにボランチは大島守田が横並びではなく、守田が前目の縦関係のようなポジショニングを取り、守田積極的にボランチや内側に絞るSHにプレスする形をとった。

フロンターレFC東京のビルドアップを防げるようになったことで、またもフロンターレペースになっていく。

【54~72分】右サイドから攻め込むフロンターレ

54分:【川崎F】マギーニョ→馬渡

フロンターレ攻守において右サイドを改善したい狙い。

フロンターレの攻撃の変化

前半、マギーニョ谷口大島からもっと高い位置を取るように何度も指示を受けていた(監督からも)。交代して入った馬渡のポジショニングを見ると、より違いとして見えたのは”高さ”より”幅”のように見えた。マギーニョが少し内側にポジショニングしていたのに対し、馬渡常にサイドライン際にポジショニングしていた。

これにより、後方からのパスコースを作りやすくするだけでなく、守備側のSBと距離があることでボールをもらったあとによりサイド深くまで進入することができ、SBに対して1対1を仕掛ける間合いも生まれやすくなっていた。

それに対して、より内側にポジションを取っていたマギーニョは、後方からのパスを受けるために少し下がったり、ボールを受けてもすぐにSBと対面してしまい、アーリークロスを上げるかボールを後ろに戻すしか選択できない状況となっていた。

また、この時間帯には憲剛高萩の間を出入りすることでピン留めし、奈良から馬渡へのパスコースを空きやすくしていたことで、右サイドから前進するシーンを増やしていった。

62分:【FC東京】永井→田川

この15分ほどの間にフロンターレが数回チャンスを作るものの、決めきれずにスコアは動かず。

【73分~試合終了】決定機を作ったのはFC東京

73分:【川崎F】ダミアン→齋藤
齋藤が左サイドに入り、小林がトップ、家長が右サイドに移る。

フロンターレは左サイドに開く齋藤をシンプルに活かした攻撃を繰り広げるものの決定機は作れず。

77分:【FC東京】久保→大森

81分:【川崎F】中村→知念
知念がトップに入り、小林が再び右サイドに戻る。

82分、右サイドでボールを奪ったFC東京は、オリヴェイラ高萩とつなぎ、PA内左でに。はダイレクトで折り返して田川がフリーでチャンスを迎えるも、ダイレクトで打とうとして空振り。決定機を逃す。

86分:【FC東京】オリヴェイラ→ナ・サンホ

試合はそのままスコアレスで終える結果となった。

後半のスタッツ

後半のスタッツ(左:川崎F、右:FC東京)
引用:SofaScore

後半はフロンターレが多くのチャンスを作り、シュート11本うち9本がPA内)、枠内シュート5本ビッグチャンス2回。対するFC東京は、シュート3本に終わったものの、ビッグチャンス1回

FC東京としてはカウンター攻撃が一つの狙いでもあり、少ない決定機をものにできていれば狙い通りの試合内容であったのかもしれない。

 

【PickUpData】優勢に進め続けたフロンターレと少ないチャンスを狙ったFC東京

試合の流れ

試合は前半の一部の時間帯を除いてフロンターレが優勢に進めた。しかし、FC東京としてもカウンターやセットプレーを活かしたい狙いは試合前からあっただろう。

マッチスタッツ(左:川崎F、右:FC東京)
引用:SofaScore

シュート数フロンターレ15本に対してFC東京6本。しかし、ビッグチャンス数お互いに2本ずつであり、FC東京久保のポスト直撃のFKもあった。

フロンターレは崩したシーンを一定数作ったものの、8回のセーブによりゴールを奪うことができなかった。

【PickUpData】1人でシュート8本の小林悠

川崎Fのパススタッツ
引用:SofaScore

フロンターレのパススタッツを見ると、守田がチームトップの109本。後方に下がってパス交換に絡んだために多くなるのは必然であるものの、ロングボール8本中6本成功させ、攻撃においても日に日に存在感を増している。

また、憲剛パス56本ながら、キーパス5本記録し、大島守田が後方からゲームメイクできるおかげで、よりファイナルサードの崩しの場面で持ち味を発揮できているシーンが多いと言えるだろう。

川崎F・小林のスタッツ
引用:SofaScore

主に右サイドのポジションでプレーした小林は、ファイナルサードでは中央寄りでプレーし、1人でシュート8本を打った。うち枠内シュート6本であったものの、林の好セーブに阻まれてゴールを奪えず。

【PickUpData】MOM級の活躍を見せたFC東京・久保

FC東京・久保のスタッツ
引用:SofaScore

久保のスタッツを見ると、ポスト直撃のFKのみならず、ドリブル3回中3回成功デュエル6回中5回勝利

攻撃で大きく貢献したのみならず、車屋とのマッチアップでうまく体を入れてボールを奪うなど、守備でも貢献できることを示した。マン・オブ・ザ・マッチと言えるプレーを披露した。

 

ドロー発進となったフロンターレ

3連覇をかけて開幕した2019シーズンのJ1リーグ戦でフロンターレはドロー発進。実は、フロンターレはホーム開幕戦をこれで7年連続で引き分けで終える結果となった。ある意味で例年通りのスタートであると言える。

ダミアンマギーニョがフィットしきれているとは言えない状況であるが、シーズン序盤に我慢して使い続けることで、シーズン後半でのオプションを増やしたい狙いがあるのかもしれない。

昨シーズンまでのベースはあり、ACLを含めて戦っていく中でどのように上積みをしていくのか注目していきたい。

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