今季最多のボールロスト数。川崎フロンターレ 対 ガンバ大阪 レビュー【2019 J1 第4節】

2019年3月20日Jリーグ

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試合結果、スタメン、フォーメーション

試合結果

2019/03/17 J1 第4節
川崎F 0-1 G大阪

91分 三浦

2019シーズン J1 第4節 川崎フロンターレ対ガンバ大阪基本フォーメーション
【川崎F】4-2-3-1 【G大阪】4-2-3-1

守備時(ボール非保持時)
【川崎F】4-4-2 【G大阪】4-4-1-1

いまだリーグ戦で勝利が無いフロンターレは、小林大島阿部馬渡が負傷により欠場。守田もコンディション不良でベンチスタート。ボランチには田中碧山村が入り、右SBには鈴木が入った。山村は加入後初出場。

対するガンバは、本職CBの三浦が右SBに入り、ボランチには若いをスタメン起用した。

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試合経過と両チームの狙い

ガンバの守備に苦戦するフロンターレ

 

試合は序盤からフロンターレがボール保持する流れとなったものの、ガンバも押し込まれるわけではなく、連動したプレスでボール奪取を狙っていく展開に。

フロンターレの攻撃とガンバの守備

フロンターレのビルドアップ時ガンバ4-4のブロックを作りつつファン・ウィジョと遠藤が縦関係になり、ファン・ウィジョがCB間のパスコースを消し、遠藤がボランチへのパスコースをケアしつつ寄せ、倉田小野瀬も連動して寄せていく守り方をした。

フロンターレ憲剛家長が流動的なポジショニングで下りてきてサポートするものの、これまで出場機会の少ない田中山村鈴木との連携が合わない場面が目立ち、さらにガンバの素早く連動したプレスに苦しんでボールロストするシーンが目立つように。

フロンターレはボランチ1枚がCB間に下りるシーンを増やすことで、後方でのボール保持を徐々に安定させようとしていく。また、序盤はひたすら左サイドからの前進を狙っていった。

フロンターレの攻撃

  • 【定位置攻撃】 主に左サイドから前進を狙う。憲剛や家長が流動的に下りてサポート
  • 【ポジトラ(ボール奪取時)】 知念に縦パスを入れてキープ or 左サイドの長谷川へ渡してスペース活用

ガンバの守備

  • 【守備ブロック】 4-4-1-1 連動したプレスでボールホルダーに寄せる

 

ガンバの攻撃とフロンターレの守備

ガンバのビルドアップ時フロンターレはいつも通りミドルゾーンで4-4-2のブロックガンバは、SBがあまり高い位置を取らず、最終ライン4枚とダブルボランチで後方で余裕を持ってボール保持。さらに遠藤も状況に応じて下りてきてボールに絡むことでアクセントを付ける。また、ボランチ1枚がCB間に下り、遠藤がボランチの位置に下りることで、3+4で余裕を持って後方からビルドアップする形も使い分けていた。これによりフロンターレの前プレはほとんど効かず。

さらにフロンターレの前線と中盤が前に出て強めにプレスをかけてきたとしても、無理して繋ぐことに固執せずにシンプルに前線にロングボールを入れ、ファン・ウィジョアデミウソンの強さを活かして前線に起点を作ろうとしていた。

また、右サイドでは三浦はあまりオーバーラップせずに早めに前線にロングボールを入れることが多く、逆に左サイドではアデミウソン藤春の攻撃力を生かして人数をかけて前進していくシーンが目立った。

ガンバの主な攻撃パターン

  1. 斜めのダイレクトパスによる前進
  2. 右奥のスペースへのロングパス
  3. アデミウソンへのロングパス(アデミウソンがキープして起点)

ガンバの攻撃

  • 【定位置攻撃】 後方で余裕を持った数的優位。無理して繋がず前線へロングボール
  • 【ポジトラ(ボール奪取時)】 右奥のスペースへロングパスを出し、ファン・ウィジョが走り込む

フロンターレの守備

  • 【守備ブロック】 4-4-2 ミドルゾーンにブロック

 

試合はフロンターレのボール保持が多くなり左サイドからの前進を狙い続けるものの、効果的に崩すシーンは多くなく、ガンバはボールを奪ったら速攻を仕掛けるシーンが目立つ展開に。

39分頃、山村憲剛のポジションを入れ替えて、山村トップ下、憲剛がボランチに。

ファイナルサードまで進入した際には山村がペナルティエリア内まで入るプレーを見せていたものの、逆にボールロストした際には憲剛山村のどちらが戻るかが曖昧になりやすく、また、後方でのビルドアップで苦戦していたため、改善するために憲剛山村のポジションを入れ替えたと考えられる。

また、前半最後の方からフロンターレは右サイドからの前進も狙うようになり、家長が右サイド奥で起点を作ろうとした。

前半はフロンターレがボール保持したもののチャンスはあまり作れず、スコアレスで前半を折り返した。

前半のスタッツ

左:川崎F、右:G大阪

SofaScore.comより引用

前半はフロンターレシュート9本に対して、ガンバシュート3本。両チームともに決定機はほとんど作れず。

崩しきれないフロンターレと速攻を狙い続けるガンバ

 

後半になっても山村憲剛はポジションを入れ替えたままでスタート。

前半同様にフロンターレがボール保持する流れから始まったものの、徐々にガンバも攻め込むシーンを作っていき、50分過ぎにガンバが立て続けにチャンスを作る。しかしゴールは生まれず。

56分:【川崎F】山村 → 齋藤

フロンターレは攻守において連携不足が目立った山村に代えて齋藤を投入し、家長をトップ下に移す。これで両サイドともにドリブルで勝負できる選手を配置する布陣に。

フロンターレが再びボールを保持するペースを取り戻し、押し込む時間帯が続く。

68分:【川崎F】長谷川 → ダミアン

フロンターレダミアンを投入し、4-4-2に変更。また、数分後に齋藤を慣れている左サイドに移す。

前線に高さと強さのある2枚を置いたフロンターレであるが、それを活かした攻撃はあまり見せられず。ガンバはボールを持っても速攻や前線へのロングボールがより一層目立つように。

78分頃、ガンバアデミウソンをトップに上げ、倉田を左に移し、4-4-2に変更。2トップの質にゴールを委ねる。

82分:【川崎F】憲剛 → 下田

下田を投入したことで憲剛とは異なるリズムが生まれ、前へ運ぶパスが増えるフロンターレ。しかし、ダミアンがゴール前で決定機を迎える場面などがあったもののゴールを奪うことができない。

すると90分、ガンバが中央で縦パスを2,3本連続で入れて一気に攻め込むと、左サイドからオーバーラップした藤春がペナルティエリア左奥から中にマイナスのグラウンダーのクロス。ボールはフロンターレのディフェンス陣を抜けていき逆サイドの三浦へ。三浦は落ち着いてダイレクトでボールをゴールに押し込み、ガンバが終了間際に勝ち越しに成功

93分:【G大阪】アデミウソン → 渡邉
94分:【G大阪】小野瀬 → 米倉

ガンバは後半ロスタイムに選手交代も使ってうまく時間を稼いで逃げ切りに成功。フロンターレはまたしても終了間際の失点を喫し、勝てないどころかホームで敗れる結果となった。

後半のスタッツ

左:川崎F、右:G大阪

SofaScore.comより引用

後半、ガンバも攻め込むシーンを作り、シュート6本でそのうち枠内シュート4本フロンターレシュート10本であったものの、枠内シュートまさかの0に終わった。

 

【PickUpData】シュート19本でも崩しきれなかったフロンターレ

試合の流れ

試合全体を通してフロンターレがボールを保持する展開となったものの、ガンバは連動したプレスでボール奪取してからの速攻や前線へのロングボールで割り切った戦い方を見せ、最終的に決定機をものにして勝ち越しに成功した。

マッチスタッツ
(左:川崎F、右:G大阪)

SofaScore.comより引用

シュート数フロンターレ19本に対してガンバ9本と差が開いたものの、勝利したのはアウェイのガンバフロンターレはシンプルにクロスを上げる場面が徐々に増えて21本クロスを上げたものの、精度やコンビネーションが悪く、成功したのはわずか5本のみ

ガンバの守備に苦戦したフロンターレボールロスト(dispossessed)が22あり、ガンバインターセプト21回許した。

 

【PickUpData】今シーズン最多のボールロスト数

この試合で特に目立ったのはフロンターレボールロストの多さ

今季のフロンターレのボールロスト数(dispossessed)

vs FC東京 6回
vs 鹿島 15回
vs 上海上港 5回
vs 横浜FM 9回
vs シドニーFC 9回
vs G大阪 22回

SofaScore.comより引用

今シーズンの公式戦6試合の中でダントツにボールロストが多い試合となった。

ガンバ戦のボールロスト数(選手別)

家長 7回
車屋 4回
鈴木 3回
山村 3回
知念 3回
齋藤 1回
ダミアン 1回

SofaScore.comより引用

そもそものボールタッチ数に差があるため一概に比較できないものの、家長両SBのボールロストの多さは気になるところ。

家長の7回は、「ビルドアップ時に低めに下りていってパス交換している中でのボールロスト」と「右サイド奥に押し込んでいるときに挟まれてのボールロスト」とに大きく分かれる。しかしいずれも、キープ力に定評のある家長であれば本来は起こりにくいもの。家長自身のコンディションと周りとの連携不足から起こったものと言えるだろう。

一方で、車屋のボールロストが多いのは、左サイドからの前進でガンバの守備に掴まることが多かったためであると考えられる。

また、鈴木山村のボールロストは、周りと連携が合わずにパスがずれるシーンが目立ったことによるものだろう。

ボールロストの主な要因

  • ガンバの連動したプレス
  • 出場機会が少なかった選手たちとの連携不足
  • 家長のコンディション不良

人数をかけて密集して狭いスペースでもパスを繋ぐフロンターレの攻撃において、ボールロストはカウンターを受けるきっかけになりやすく、失点にならずとも体力の消耗に繋がりやすく、自分たちで苦しい状況にしてしまっていると言えるだろう。

控え選手を起用することで発生する連携不足をどのようにカバーしていくのか、今後はより重要なポイントになるだろう。

フロンターレの右サイド攻撃と左サイド攻撃の違い

フロンターレが押し込んでサイドから攻めるときは、基本的に人を密集させるケースが多い。そして、逆サイドに幅を取る選手を置いておく。この試合では、左右のサイド攻撃の違いが顕著に現れた。

①幅取り役の違い

この試合では、左サイドから攻めたときに右サイドで幅を取るのは右SB鈴木。逆に右サイドから攻めたときに左サイドで幅を取るのは左SH長谷川。この差は、右サイドに入った家長がボールサイドに寄る傾向が強いことによるものである。

サイドチェンジした場合に対SBと1対1の局面になりやすいが、長谷川鈴木を比較した際により突破が期待できるのは長谷川である。試合途中から右サイドからの攻撃を増やしていったのはこれに期待した部分もあるかもしれない。

②コンビネーションの違い

コンビネーションという面で考えると、左サイドの長谷川車屋はカットイン+オーバーラップなどの形を見せてそれなりに機能していたが、右サイドの家長鈴木は息が合っているとは言えず、奥のスペースでボールをキープするだけのシーンが目立った。

③被カウンター時の違い

押し込んだときにボールを奪われてカウンターを受けるピンチになると、左サイドから押し込んでるときはガンバはファン・ウィジョに加えてアデミウソンもカウンターに参加しやすく、一方でフロンターレが右サイドから押し込むとアデミウソンは自陣深くにいるためにカウンターには加わりにくくなる。また、右サイドから押し込んだ際には車屋もカバーに戻りやすいポジショニングとなる。

 

前半30分過ぎまで左サイド一辺倒で攻め続けたものの徐々に右サイド攻撃を増やしたのは、「①幅取り役の違い」「③被カウンター時の違い」を踏まえたうえでの判断であると考えられる。しかし、右サイドの連携がイマイチなこともあり、右サイドから崩し切る迫力を出すことはほとんどできなかった。さらに、左サイドにサイドチェンジして長谷川が1対1で仕掛けられる状況になったとしても、対面するのは三浦である。ガンバの狙いが上回っていたと言わざるを得ない。

やはり課題は、家長のコンディションと安定しない右SBだろう。ポジショニングも1つ1つのプレーも本調子でないと思われるものの起用され続けている家長であり、プレーすればボールに絡むシーンが多くなるため、チーム全体が家長の調子に影響されやすい状況となってしまっている。また、エウシーニョが抜けた右SBはすでにこれまでに4選手が起用される状況となっており、ある程度固定されなければ周りとの連携も深まらないままになってしまうはずである。

 

中断期間で立て直したいフロンターレ

代表ウィークによって2週間空くため、この期間を使ってチームを立て直したフロンターレ。長期離脱者はいないため、怪我人も軒並み復帰できるはずであり、戦術的な確認をする時間もしっかりと取れるだろう。

どのように新加入選手たちを融合させていくのか、今一度整理した上で中断明けの上昇を期待した。

【データで紐解く】川崎フロンターレの不調の要因(2019シーズン)

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