アーセナルの前線の最適解を考える~その1:分析編~【2018/19シーズン】
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2018/19シーズンのアーセナルの前線の最適解を考える
エメリ新体制で迎えた2018/19シーズンのアーセナルにおいて、1つの課題となっているのが前線の組合せである。
オーバメヤンとラカゼットというワールドクラスのFWを2人揃えながら、4-2-3-1を採用しているため、ここまでの試合ではオーバメヤンをトップでスタメン起用し、ラカゼットはサブに回っている。プレシーズンでは、ラカゼットをトップ、オーバメヤンを左サイドという形で共存させるシーンも多かったが、シーズン開幕後はほとんど採用していない。
また、トップ下については、新10番となったエジルが起用されるパターンと、前線のプレッシングを考慮してラムジーが起用されるパターンが試されている。
2列目の両サイド含めた前線の4つのポジションの選手起用において、いまだ組合せと戦術を模索している段階かもしれない。
そこで、前線の組合せの最適解を考えるにあたり、昨シーズンのリーグ戦のスタッツから、アーセナルの前線の各選手の特徴を改めて整理する。
アーセナルのFW陣の特徴は?
FW陣の2017/18シーズンのスタッツ(90分当たり)
※引用:squawka.com
3選手の特徴がスタッツに如実に表れている。
オーバメヤンはゴール数、シュート正確性、アシスト数というゴールに直結するプレーが優れている。しかし、守備でのプレーのスタッツはあまり高くない。
ラカゼットは、ゴールに直結するプレーのスタッツも悪くないものの、キーパス数やチャンスクリエイト数というチャンスメイクのプレーも優れている。
ウェルベックは、ゴールに直結するプレーのスタッツは高くないが、タックル成功数やインターセプト数という守備でのプレーのスタッツが優れている。
これらのデータから、FW陣3選手の特徴を一言で表すと、以下のようになる。
オーバメヤン:ゴール特化型ストライカー
ラカゼット :チャンスメイクも可能な万能型ストライカー
ウェルベック:守備で貢献するスプリンター
やはり、トップのポジションの起用については、オーバメヤンとラカゼットのどちらかを検討することになるだろう。ウェルベックについては、試合の状況に応じたピンポイント的な投入や、守備を重視した試合でのサイドでの起用が現実的だろうか。
アーセナルの2列目のMF陣の特徴は?
2列目のMF陣の2017/18シーズンのスタッツ(90分当たり)
※引用:squawka.com
2列目のMF陣のスタッツを確認してみる。
エジルは、キーパス数やチャンスクリエイト数というチャンスメイクのプレーのスタッツが圧倒的に優れている。しかし、やはり守備でのプレーのスタッツは低い。
ムヒタリアンは、全体的にバランスの良いスタッツになっており、守備でのプレーも高いスタッツを記録している。
イウォビは、チャンスメイクのプレーのスタッツが上々であるものの、守備面のスタッツは低い。
ラムジーは昨季はボランチでの出場が多かったものの、ゴールに直結するプレーのスタッツが高く、やはり守備でのプレーのスタッツも高い。しかしながら、チャンスメイクのプレーでは残念なスタッツとなっている。
これらのデータから、2列目のMF4選手の特徴を一言で表すと、以下のようになる。
エジル :チャンスメイク特化型MF
ムヒタリアン:オールラウンダーMF
イウォビ :攻撃バランス型MF
ラムジー :とにかく前進(ゴール&守備)MF
やはり、エジルとラムジーの特徴が際立っていると言える。この2人の起用法によって、チームとしてのプレースタイルが大きく影響されるだろう。
各選手の特徴を踏まえた前線の最適な組み合わせは?
FW陣と2列目のMF陣の特徴が明らかになったうえで、チームの戦術に合った組み合わせを考えていく必要がある。攻撃では、縦に速い攻撃をするのか、つないだうえで崩す攻撃をするのか。守備では、前線から積極的にプレスをかけていくのか。それらをどのようなバランスでチームとして確立するのかが重要であると言えるだろう。
今のところエメリは、守備では前線から積極的にプレスをかけ、攻撃では、丁寧にビルドアップでショートパスをつないだのちに、サイドをうまく絡めてフィニッシュに持ち込む形を志向しているように見受けられる。
それらを踏まえて、前線の最適な組み合わせを考察したい。
(その2:考察編へ続く)※執筆中