ワールドクラスの決定力!カーディフ 対 アーセナル レビュー【2018/19プレミア第4節】
開幕2連敗のあと、ウエストハムに勝利したアーセナルは、アウェイでカーディフと対戦。
ラムジーにとっては、自身が育った古巣との対戦になる。
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試合結果とフォーメーション
2018/09/02 プレミアリーグ第4節
カーディフ 2-3 アーセナル
12分 ムスタフィ
46分 カマラサ
62分 オーバメヤン
70分 ウォード
81分 ラカゼット
PickUpData:左サイドを起点にしたアーセナル
マッチスタッツ(左:カーディフ、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
ポゼッションはアーセナルが72%を記録したものの、ビルドアップがうまくいかず、ボールを持たされていた時間が長かったともいえる。カーディフの枠内シュートは3本と少ないものの、全体のシュート数は14本と、かなりゴール前まで攻め込まれていたことがわかる。
平均ポジション(左:カーディフ、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
攻撃サイド(左:カーディフ、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
ヒートマップ(左:カーディフ、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
2列目が、左:オーバメヤン、中:ラムジー、右:エジルという並びであり、エジルが中央寄りに位置し、ラムジーも左サイドに流れることが多かったため、攻撃サイドやヒートマップがかなり左サイドに寄っている。
PickUpData:ラカゼットの攻撃での幅広い貢献
攻撃スタッツ
引用:whoscored.com
ラカゼットは、シュート数/枠内シュート数が5本/3本でキーパス数も3本という好パフォーマンスを披露。
ラムジーも、シュート数/枠内シュート数が2本/2本でキーパス数は4本を記録。
一方、オーバメヤンは見事なゴールを決めたものの、シュート数は2本に終わった。左サイドから中央に流れてくるシーンも多かったが、シュートにつなげた回数は少なかった。
エジルは、ビルドアップがうまくいかずになかなかボールを受けられず、キーパス数は1本にとどまった。終盤に意図的に下りてビルドアップに絡むようになると、スムーズに前線にボールを運ぶ役割をこなしていた。
パススタッツ
引用:whoscored.com
トレイラが20分の出場ながら、パス26本でパス成功率100%、アシスト1という素晴らしいパフォーマンスを見せた。
一方、ムスタフィのパス成功率は80%、チェフは63%と、ビルドアップがうまくいかなったことがよく表れている。
間違いなくスタメン起用を考えさせるパフォーマンスを見せたトレイラ
A game-changing impact from @LTorreira34 today 👏 pic.twitter.com/k8EokKO3GJ
— Arsenal FC (@Arsenal) September 2, 2018
途中出場ながら、間違いなく勝利の立役者となるプレーを見せたトレイラ。攻撃ではビルドアップをスムーズにしてリズムを作り、積極的に縦パスを入れて前進させ、最後は決勝点を見事にアシスト。守備でも、デュエル勝利数6回、タックル3回と持ち味を発揮。
Lacazette puts Arsenal back in front once again. 3-2 pic.twitter.com/oW3g7tbXVQ
— Terje (@TerjeGIFs) September 2, 2018
アシストの場面では、ラカゼットのもらいたい位置に完璧なパスを送り、さらには、そのあとPA内に走りこむ動きまで見せている。ラカゼットからの折り返しやシュートをGKが弾いた際の押し込みなど、違う状況になっていてもゴールにつながる可能性が高い動きを見せていた。
開幕から継続してきたゲンドゥージとジャカのコンビが攻守ともにバランスに優れているとはいえないため、そろそろエメリはトレイラをスタメン起用してもおかしくないだろう。トレイラが90分プレーすることで、攻守においてバランスを与える選手であることがより証明されるはずである。
オーバメヤンとラカゼットのアベック弾。今後は共存がベースになるか?
ようやくスタメンでオーバメヤンとラカゼットが共存する形を採用したエメリ。
4-2-3-1でオーバメヤンは左サイドに位置したものの、前線までボールが来た際には、ラムジーが左サイド奥のスペースを使い、オーバメヤンがPA内に入るシーンがたびたびあり、2トップのようにも振る舞った。
また、ラカゼットが右サイドに流れて起点を作るシーンでは、オーバメヤンとラムジーが中に詰める形も見せた。
純粋な2トップではないものの、流れの中で柔軟にポジションをとることで、必ずストライカーどちらかがPA内で待つことができ、さらには飛び込めるラムジーもいたことで、ゴール前では常に相手に脅威を与えていたと言えるだろう。
Aubameyang with a gorgeous strike to restore the lead for Arsenal. 2-1 pic.twitter.com/mEIbUaRgpT
— Terje (@TerjeGIFs) September 2, 2018
2点目のシーンでは、エジル、ラカゼット、オーバメヤンが見事な連携を見せた。エジルの縦パスからラカゼットがヒール気味にダイレクトで見事にオーバメヤンに落とし、前を向いたオーバメヤンは距離があったものの、狙いすましてカーブをかけたシュートでゴール右隅に突き刺した。
エジルのアイディア、ラカゼットのポストプレー、オーバメヤンの決定力という前線3人のスキルが見事に発揮したゴールと言える。
後半途中からエジルが下りてビルドアップに絡むようになり、さらにトレイラ投入も重なり、かなり前線にボールが運べるようになった。エジルが下りたとしても、ラカゼットがいることでボールを受けにきて的確に落とすプレーができるため、間延びすることなく攻撃をすることができていた。
やはり、ラカゼットの万能性は素晴らしく、トラップ、落とし、サイドに流れる動き、裏抜け、シュートなど、あらゆるプレーを高いレベルでこなすことができるFWである。オーバメヤンやラムジーの飛び出しを活かすにも、ラカゼットは必須であることは間違いない。
ビルドアップで苦戦した課題はすぐには解決しないかもしれないが、前線の攻撃力を活かすには、オーバメヤンとラカゼットの共存を今後はベースにしていくことが間違いなくベストであると言えるだろう。
次節はいよいよトレイラがスタメンで起用されるか
開幕から連敗の後にようやく連勝で流れが変わりつつあるアーセナル。ELのグループステージも始まるが、スタメンを変更したり、控えメンバーを試すなど、より幅広い采配が求められるだろう。幸いにもそれほど強い相手との対戦が無いため、ここでチームとしての成熟度を高めていきたいところである。
次節こそ、いよいよトレイラがスタメン起用される姿を見てみたい。
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