苦しみながらも初のクリーンシート!アーセナル 対 エバートン レビュー【2018/19プレミア第6節】
トレイラが満を持してリーグ戦初スタメン。前線はおなじみのメンバーが並び、オーバメヤンとラカゼットを同時起用したアーセナル。
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試合結果とフォーメーション
2018/09/23 プレミアリーグ第6節
アーセナル 2ー0 エバートン
56分 ラカゼット
59分 オーバメヤン
PickUpData:ジャカからモンレアルのラインしかつなげなかったアーセナル
マッチスタッツ(左:アーセナル、右:エバートン)
引用:whoscored.com
アーセナルは、エバートンのサイド攻撃に苦しめられ、ドリブルを12回許している。
シュート数でも、合計数は同じながら、エバートンの方が枠内シュート数が多く、チェフらの守備陣の奮闘が際立った。
平均ポジション(左:アーセナル、右:エバートン)
引用:whoscored.com
攻撃サイド(左:アーセナル、右:エバートン)
引用:whoscored.com
ヒートマップ(左:アーセナル、右:エバートン)
引用:whoscored.com
いつも通り左サイド偏重な攻撃ながら、内容としては、エバートンの守備に苦戦し、右サイドと中央を効果的に使えず。いつも以上に左サイドに偏らざるを得なかった。ジャカからモンレアルへのタッチライン際の展開でなんとか前へボールを運ぶのみしかほとんどできなかった印象が強い。
PickUpData:前線の守備の献身性とチェフとホールディングの奮闘
アーセナルの守備スタッツ①
引用:whoscored.com
苦しい展開ながら、前線のメンバーの守備での貢献も目立ち、エジルがタックル成功数4回、ラカゼットもタックル成功数3回を記録。
ラカゼットはもともと守備意識が高い選手として、エジルのこの試合での献身性は特筆すべきものだろう。
アーセナルの守備スタッツ②
引用:whoscored.com
パパスタソプーロスの負傷により途中出場したホールディングであるが、不安視されながらもクリーンシートに貢献し、クリア数ではチームトップの6回を記録。
チェフのスタッツ
引用:sofascore.com
この試合のMOMは、間違いなくチェフ。セーブ6本で、そのうちボックス内シュートのセーブが3本。
足元のテクニックで批判を浴び続けながらも、毎試合のようにビッグセーブを連発しており、守備陣の不安定さを完全にカバーしていると言っていいだろう。
PickUpData:エバートンの果敢なサイド攻撃とゲイエの圧倒的な守備スタッツ
エバートンの攻撃スタッツ①
引用:whoscored.com
試合序盤のエバートンの立て続けのサイド攻撃の印象が強く残ったが、終わってみればリチャーリソンのドリブル成功数はわずか1回。しかし、同サイドのディーニュが3回成功しており、左サイド(アーセナルの右サイド)から攻め込まれていたことがわかる。
エバートンの攻撃スタッツ②
引用:whoscored.com
クロス本数では、ディーニュが10本、シグルズソンが8本、リチャーリソンが4本を記録しているものの、そのうちの成功数はそれぞれ、1本、3本、0本と、最終的な精度の低さが試合結果に影響したと言えるだろう。アーセナルの守備陣も最後の局面で粘り強く守りきった。
エバートンの守備スタッツ
引用:whoscored.com
ゲイエがタックル成功数10回を記録。その他、インターセプトも3回、クリアも3回。
アーセナルは中央のエリアをなかなか有効に使えず、ゲイエの守備に苦しめられた。
PickUpData:ボランチのポジショニング
ボランチのプレーエリア
引用:sofascore.com
初めてジャカとトレイラがスタメンを組んだこの試合。これまでのトレイラの途中出場の場面は、リードされていたり、うまくいっていないタイミングでの投入が多かったため、スタメンでプレーした際のパフォーマンスが注目された。
やはりゲンドゥージとの違いは、ピッチ中央にとどまる意識が高い点か。守備能力が高く、この試合でも何度も鋭いタックルを見せてチャンスを潰していたし、ビルドアップでも、サイドに寄るよりは中央やハーフスペースをうまく活用することを意識しているように見える。
これまでの途中出場時のトレイラは、より攻撃に貢献するために前目にポジショニングを取ることが多かったが、この試合では、守備のバランスを取るために、トレイラが後ろ目に残り、ジャカがいつもよりも前線に絡んでいくシーンが多かった。実際にプレーエリアを見ても、ジャカはハーフウェイラインを超えた位置で多くプレーしている。
ボールコントロールや体の反転などはジャカよりもトレイラのが優れているため、前線の狭いエリアでのプレー適性は間違いなくトレイラのほうがあるだろう。しかし、守備を考えると、トレイラの1対1の強さやカバーリング能力を活かすためには後ろに残したほうがより効果的であり、このあたりのバランスは今後の課題になるだろうか。
また、この試合で出場機会の無かったゲンドゥージであるが、トレイラと組んだ場合にどのようなパフォーマンスを見せるのか、どこかで長い時間テストしてほしいものである。
得点にならなかったものの、連動して崩した素晴らしいプレー
この流れ、めっちゃ良かったな。
ラムジーはボールもらう前に前方を見て、そのあとボールを要求して、ダイレクトで縦パス。
憲剛がよくやるパスみたい。ラカゼットの落としも見事だし、ラムジーもPA内まで走り込んでるのはさすが。
やっぱりラムジーは後ろから飛び込む方が効果的よね。 pic.twitter.com/3a00HjDw9f
— polestar@I love パス&ムーブ (@lovefootball216) 2018年9月24日
なかなか中央を使えなかったアーセナルであるが、このシーンではラムジーが低い位置まで下りて組み立てに絡み、トレイラも連動して囮となり、縦パスをラカゼットがダイレクトで落としてチャンスとなった。
おそらく、何人かの選手たちが同じイメージを描いた上で、精度の高いプレーでそれを実行できたシーンだろう。
サイドを起点にする場面が多い今季のアーセナルであるが、エジルやラムジーが絡んで中央を使った攻撃がもっとできるようになれば、より幅広い攻撃が可能となって、前線のストライカーの決定力もより活かすことができるだろう。
ラカゼットの見事なワールドクラスのゴール
ラカゼットのスーパーゴール。
トレイラの足伸ばしカットから、ラムジーの見事な反転。
ラカゼットの足元深くにボールが来たため、わずかなスペースを利用して内側にトラップして、イメージ通りの右から弧を描くシュート。
最後は魅惑のダンスまで(笑)
あっぱれ。 pic.twitter.com/qkz2IjLhdZ
— polestar@I love パス&ムーブ (@lovefootball216) 2018年9月24日
先制点は、ラカゼットの見事なゴール。まるでアンリを彷彿とさせるような左45度からの巻いたシュートは、GKはほぼノーチャンスとも言えるコースへ。
ラムジーの見事な反転による前を向いたプレーも素晴らしかった。
次節は今季絶好調のワトフォード戦
苦しみながらも今季初のクリーンシートで4連勝を果たしたアーセナルは、次節、絶好調で4位につけるワトフォードとの対戦。ディーニーらの攻撃陣を抑えることは簡単ではないが、上位に浮上するためには勝利が必須。
ムヒタリアンやパパスタソプーロスの負傷もあり、カップ戦との両立もある厳しい状況であるが、波に乗るための非常に重要な試合となるだろう。
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