【データで振り返る】アーセナルの2018/2019シーズン前半

2019年1月4日アーセナル

 

シーズン折り返し地点の順位と戦績

プレミアリーグ順位表(19節終了時点)
引用:プレミアリーグ公式

シーズン折り返しとなる19節を終えて5位首位リバプールとは勝ち点差13であり、タイトルレースに加わることは難しい状況であるものの、2位トッテナムとは勝ち点差7差であり、2位以下は混戦。CL出場圏内を十分に視野に捉えている

エメリ就任1年目であり、戦術を浸透させている段階であることを踏まえれば、十分に及第点と言える結果だろう。しかし、6位のマンチェスター・ユナイテッドまで含め、CL出場圏内の争いはシーズン最後までもつれることは確実であり、ELとの両立含め、最後まで厳しい戦いとなることは間違いない。

シーズン前半のリーグ戦の戦績
引用:Whoscored.com

リーグ戦前半の結果を振り返ると、開幕戦でマンチェスター・シティに破れ第2節でもチェルシーに破れて連敗スタートとなったものの、その後リーグ戦で7連勝カップ戦を含めると22戦連続無敗を達成。

ターニングポイントになったと言えるのは、ウェルベックホールディングシーズン絶望となる長期離脱だろう。

ウェルベックEL第4節のスポルティング戦で負傷し、シーズン絶望。ELではターンオーバーに伴い主力のFWとして貴重な存在になっており、リーグ戦でも試合終盤の投入により、豊富な運動量、スプリント、スピードを活かして攻守にアクセントを付ける存在として、チームの連続無敗を支えていたのは間違いない。チームは貴重なFWの控えを失うことになった。

また、ホールディングは、左CBとして守備での安定のみならず、ビルドアップでも器用に左サイドからの前進に貢献し、レギュラーを確保するレベルの重要な存在になっていた。第15節のマンチェスター・ユナイテッド戦での負傷によりシーズン絶望となったことは攻守ともに影響が大きく、確実のその後のチームの不調の要因となっている。

各種データで振り返るシーズン前半

シーズン前半戦について、「フォーメーション」「攻撃サイド」「ヒートマップ」のデータを使ってそれぞれ振り返ってみる。

フォーメーション

リーグ戦・第1節~第16節までのフォーメーションアーセナルのフォーメーション 2018/2019シーズン

シーズン序盤はアーセナルのこれまでの基本フォーメーションである4-2-3-1を踏襲し、第7節までこれを継続した。

その後、徐々に4-4-2をオプションとすると、第13節に初めて3バックの3-4-2-1を披露。その後3-4-2-1がベースとなりつつ、2トップとなる3-4-1-2をオプションとし、さらには3センター(ボランチ3枚)が増え、4-3-1-23-5-2も採用していった。

プレシーズンから複数のフォーメーションを試しており、徐々に練習の中で浸透度を高めていき、徐々に試合で採用していったことが考えられる。また同時に、特に守備陣に負傷者が多発し、SBの緊急事態、CBの緊急事態などに対して、ジャカをSBやCBで起用したり、リヒトシュタイナーをCBで起用するなどの応急処置で対処してきた影響もあるだろう。

リーグ戦・第1節~第19節までの各フォーメーションの採用時間

第13節以降に3バックの試合が増えた他に特徴的なのが、試合途中でのフォーメーション変更である。

前半でうまくいかないと後半開始からフォーメーションを変えたり、試合終盤に選手交代に伴ってフォーメーションを変えるなどが日常的になり、1試合で3つのフォーメーションを使い分けるのも稀では無くなった。

一方で、相手の戦術・フォーメーションとの噛み合わせを踏まえて戦術的理由でフォーメーション変更している場合だけでなく、負傷者が続出し、限られた戦力で交代含めてやりくりしていく中で、起用する選手たちに合わせたフォーメーションを採用せざるを得ないといった事情も影響していることは間違いないだろう。

攻撃サイド

リーグ戦・第1節~第16節までの攻撃サイド
※左上から右方向に第1節、第2節~
※色枠で囲ってあるのがアーセナル
引用:WhoScored.com

シーズン序盤から左サイドを攻撃の起点とする試合が多かったアーセナルは、各試合の攻撃サイドと結果の関係を見ても、左サイドを有効に使えた割合が多い試合の結果が良好である傾向が見て取れる。

また、対戦相手が左サイド(アーセナルの右サイド)を使ってきた試合では、アーセナルは苦戦していることが多い。アーセナルが攻撃時に左サイドに密集することが多いため、手薄になった右サイドを逆に狙われた結果ではないだろうか。

ヒートマップ

リーグ戦・第1節~第16節までのヒートマップ
※左上から右方向に第1節、第2節~
※色枠で囲ってあるのがアーセナル
引用:WhoScored.com

ヒートマップからも、左サイドを起点にすることができている試合では、試合結果が良好である傾向が見受けられる。また、3バックを採用し始めた第13節(中の列、下から2番目)以降、それ以前よりも左サイドの濃さが薄くなっている。これは、4バックと3バックでビルドアップの方法が異なったり、ホールディング離脱により左サイドからのビルドアップが機能しにくくなったことが影響してるだろう。

 

選手スタッツで振り返るシーズン前半

次に、ポジション毎にシーズン前半のスタッツによって各選手のパフォーマンスを振り返る。

FWのスタッツ比較

FWのスタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

シーズン序盤は2選手の共存起用ポジションについて議論されることが多かったものの、オーバメヤンの左サイド起用や4-4-2,3-4-1-2などでの2トップ起用、試合途中での交代など、完全に序列を付けずにうまく起用したことで、2選手の出場時間に大きな差はなかった。

スタッツを見ると、オーバメヤンは得点ランキングの首位を争うレベルでゴールを量産し、ラカゼットもゴールで貢献しつつ、アシストや守備を含めた総合力でチームに大きく貢献した。

アシスト数ではラカゼットが予想通り上回っているものの、チャンスクリエイト数ではオーバメヤンが若干上回っているのが意外である。徐々にオーバメヤンもシュート・得点以外での貢献もできるようになっていることが表れていると言えるだろう。

2列目のスタッツ比較

2列目のスタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

シーズン序盤はラムジーの評価が高かったものの、徐々にイウォビも評価を上げていき、エジルムヒタリアン含めた4選手の出場時間はおおよそ近い数字となった。

意外にも、平均ゴール数ではムヒタリアン平均アシストではラムジーがトップとなっている。エジルセカンドアシストチャンスクリエイトではトップとなっているものの、本来期待したいゴールに直結する仕事はまだまだ物足りないと言えるだろう。

1対1突破数ではイウォビがダントツでトップとなっており、サイドでのキレのあるドリブル突破による好パフォーマンスが数字に表れている。

また、守備面では、タックル成功数インターセプト数ムヒタリアンラムジーを大きく上回る数字を残しており、攻守に貢献できることを示した。

ボランチのスタッツ比較

ボランチの攻撃スタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

ボランチ3選手の攻撃スタッツを見ると、シーズン前の予想とは反対に、ゴール・アシストで最も貢献しているのはトレイラ。守備のみでなく、攻撃でも貢献できることを示したシーズン前半となった。

チャンスクリエイトパス関連は軒並みジャカがトップ。ゲンドゥージジャカには及ばないものの、チャンスクリエイトパス関連のスタッツで高い数字を残した。ボールを保持しながら幅広くプレーするスタイルが表れていると言えるだろう。

ボランチの守備スタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

ボランチ3選手の守備スタッツを見ると、デュエルタックルでは軒並みゲンドゥージがトップ。時にチーム全体のポジションバランスを崩してしまうものの、人に当たりに行く傾向が現れている。

トレイラインターセプトのみトップであるものの、いずれの項目も高い数字を残しており、守備面での総合的な貢献度は間違いなく高いと言える。

ジャカは最終ラインで起用される試合も多く、ブロック数クリア数でトップとなった。

SBのスタッツ比較

SBの攻撃スタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

SBの攻撃スタッツを比較すると、コラシナツアシストチャンスクリエイトでトップとなっている。特に左サイド攻撃が多い今シーズンにおいて、ファイナルサードで期待に応えるパフォーマンスを見せていると言える。

パス数ではモンレアルがトップとなっており、モンレアル不在時にビルドアップが苦戦しがちだったことを逆に裏付けるデータであるとも言えるかもしれない。

右サイドの高い位置を取って最終局面で1対1の勝負を求められる役割となっているベジェリン1対1突破数でトップ。シーズン後半では、さらにゴールやアシストに直結する動きに期待したい。

SBの守備スタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

SBの守備スタッツを比較すると、全般的にモンレアル守備での貢献度の高さが際立っている。また、コラシナツタックル勝利数でトップとなっており、モンレアルコラシナツのプレースタイルの違いが表れているとも言える。

CBのスタッツ比較

CBのスタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

CBのスタッツを比較すると、安定して出場し続けているムスタフィデュエルタックルが際立っている。逆に、パパスタソプーロスブロッククリアがトップであり、ムスタフィパパスタソプーロスのプレースタイルもしくは役割の違いがよく表れていると言える。

GKのスタッツ比較

GKのスタッツ比較
※19節まで(90分平均)
引用:Squawka

GKのスタッツを比較すると、本来の守備面でのスタッツは軒並みチェフが上回っている。シーズン序盤にビッグセーブでピンチを防いだシーンが目立ったことがデータに表れていると言えるだろう。一方でビルドアップへの貢献という面では、やはりレノが上回っていることがわかる。

 

チームの完成度を高めていき、EL制覇とリーグ4位以内を達成できるか

12月に入ってから負傷者が相次ぎ、ハードスケジュールの中で低調な結果が続く苦しい流れであったものの、なんとか最低限の勝ち点はキープしてきたと言える。

フォーメーションのオプションも増え、各選手もチームのスタイルにフィットしつつある中、ELの決勝トーナメント含め、ここからのシーズン後半戦が勝負である。

負傷者の復帰や低調なエジルの復調などがあれば、十分に争っていけるチーム力はあるはずであり、ぜひともCL出場圏内に復帰することを期待したい。

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