エメリの神采配で10連勝!!アーセナル 対 レスター レビュー【2018/19プレミア第9節】

2018年10月23日プレミアリーグ

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試合結果とフォーメーション

試合結果

2018/10/22 プレミアリーグ第9節
アーセナル 3-1 レスター

31分 OG
45分 エジル
63分 オーバメヤン
66分 オーバメヤン

前半~61分

2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター【アーセナル】基本:4-2-3-1 守備:4-4-2
【レスター】   基本:3-4-1-2 守備:5-2-3
 

レスターは、ショートパスをつないで前進することはあまり無く、アーセナルの両SBが上がった裏のスペースに早めにロングボールを入れたり、アーセナルの守備がセットしてる状態では、ベジェリンのところにヴァーディーチルウェルを当てて、そこにロングボールを入れることを狙っていた。

アーセナルのビルドアップ

レスター守備時は5-2-3の布陣とし、1stラインが3枚で来たため、アーセナルはいつものジャカが左CB脇に落ちる形は使わなかった。

CB2枚 vs プレス3枚という構図になるが、いつもほどSBが上がらずに低めに位置してパスコースを作り、ボランチ2枚はレスターの1stラインと2ndラインの間に位置することで、CBにボランチとSBへのパスコースを作り、レスターの1stラインのプレスを攻略した。

ホールディングが持った場合は、主に左SBのリヒトシュタイナーに渡し、リヒトシュタイナーはダイレクトでジャカに渡すことで、レスターの1stラインを突破。さらに、エジルは左ハーフスペース(レスターのボランチ脇)、イウォビはサイド、逆サイドのムヒタリアンは右ハーフスペースに位置することで、常に複数のパスコースがある状態となり、押し込むところまではそれほど苦も無く前進できていた。

押し込んだあとは、両SBは高い位置で大外に開いて幅取り役をし、前線4人はバイタルエリアやハーフスペースの出入りで糸口を掴もうとしたものの、5バックに対して崩しきることができず、サイドからのクロスやミドルシュートが多くなり、前半は決定機をほぼ作れなかった。

61分~69分

2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター

アーセナルは61分、ムヒタリアンリヒトシュタイナーに代えて、オーバメヤンゲンドゥージを投入。

エメリは、ジャカを左SBに移すという奇策を見せ、ゲンドゥージはボランチに、オーバメヤンは2列目左に入り、イウォビは2列目右に移った。

レスターは同じく61分、イヘアナチョに代えて、オルブライトンを投入。

左SBが本職のモンレアルコラシナツではなく、左足が得意でない右利きのリヒトシュタイナーであったことで、プレーの選択肢が限定されてしまい、効果的な動きをできていなかった。そこで、左利きのジャカを左SBに移してプレーさせるという判断をしたのだろう。

普段のアーセナルのビルドアップでは、ジャカが左CB脇に落ちて起点となることをメインの形としているため、ジャカが動かずともその状態が作れるメリットがあった。ジャカ自体が左SBであるため、いつもの左SBへのパスコースは無くなってしまうものの、ボールホルダーに近寄ってテンポよくプレーできるゲンドゥージを左ボランチに入れることで、ジャカのパスコースが無くなることを解消した。

69分~

2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター

【アーセナル】基本:4-2-3-1 守備:4-4-2
レスター】   基本:4-4-2   守備:4-4-2

 

レスターは69分、ペレイラに代えて、ゲザルを投入。ここでフォーメーションを4-4-2に変更し、オルブライトンは左SHに移る。
さらに75分、マディソンに代えて、岡崎を投入。

アーセナルは80分、エジルに代えて、ラムジーを投入。ポジションはそのままトップ下に入る。

レスター4-4-2に変更し、アーセナルのビルドアップ時に2枚で前からプレスに来るようになると、アーセナルは最後方では、「観音開き」で両CBがPA脇に開いてパスコースを作りつつ、無理してショートパスをつながずに、前線へのロングボールを選択する落ち着きも見せた。オーバメヤンを投入済みであるため、前線ではオーバメヤンラカゼットがロングボールに競ることができ、十分にボールを保持し続けられる可能性を持ったプレーで、リードを活かして逃げ切ることに成功した。

 

【PickUpData】決定機を活かしたアーセナル。この試合は右サイド寄り

マッチスタッツ(左:アーセナル、右:レスター)
引用:SofaScore.com 2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター マッチスタッツ

アーセナルが押し込み、レスターカウンターやセットプレーで得点を狙うという展開であったため、久しぶりにアーセナルのボール保持率がかなり高くなった。

レスターは前半にセットプレーを起点に2回決定機があったため、それを決めていれば試合の展開は変わっていただろう。逆にアーセナルビッグチャンスを3回しか作れていないが、そのうち2回を決めており、押し込みつつも崩しきれず、少ない決定機をモノにしたことが表れている。

平均ポジション(左:アーセナル、右:レスター)
引用:whoscored.com2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター 平均ポジション

攻撃サイド(左:アーセナル、右:レスター)
引用:whoscored.com 2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター 攻撃サイド

ヒートマップ(左:アーセナル、右:レスター)
引用:whoscored.com 2018/2019 プレミア 9節 アーセナル対レスター ヒートマップ

いつものような左サイド偏重のビルドアップではなかったため、攻撃サイドヒートマップを見ると、左右に分散していることがわかる。右サイドが多くなったのは、リヒトシュタイナーよりもベジェリンの方が効果的なプレーをしていたことも影響しているだろう。

 

【PickUpData】トレイラとエジルのパススタッツ

パススタッツ
引用:whoscored.com

パス数は多くの試合でジャカがチームトップを記録してきたが、この試合ではトレイラがトップを記録。ジャカが終盤に左SBに移ったことも影響しているものの、トレイラパス数92本は絶対値として明らかに多く、トレイラのバランスに優れたポジショニングと的確な展開がチームに与える影響が試合を重ねるごとに大きくなってきていると言えるだろう。

また、今季は右サイドでのプレーが多かったエジルがこの試合ではトップ下を務め、ここ最近より1.5倍ほど多いパス数を記録し、パス成功率91%を記録。ボールに絡みながらリズムを作っていたことが表れている。

【PickUpData】間違いなくMOMのエジル

エジルのスタッツ
引用:SofaScore.com

エジル1ゴール1アシストというわかりやすい数字を残した。さらに、2点目でもアシストの起点となる完璧なスルーパスを通し、キーパス数5回ビッグチャンスクリエイト数2回を記録。まさしく攻撃を司るトップ下として最高の輝きを見せた。

 

アーセナルの美しい3点目を振り返る

アーセナルの3点目の流れ
引用:アーセナル公式

アーセナルらしいダイナミックで流れるような展開から生まれた3点目のゴール。

実は、イウォビ以外の10人(レノも含む)がボールタッチした末に生まれたゴールでもある。

イウォビも全く関わっていないわけではなく、最終局面で右サイドに流れることでDFを引っ張り、ベジェリンからエジルへのパスコースを作ることに貢献している。

エジルのフリックやスルー、アシストももちろんすごいけれども、個人的にポイントだと思ったのはジャカジャカがフェイントで1人交わし、もう1人寄せてきたことでトレイラからエジルへの縦パスのコースが空いたため、一気にスイッチが入ってダイナミックな展開へとつながった。

【おまけ】レスターの特異なキックオフ

レスター少し変わったキックオフをしていた。

前線4選手を左サイドに偏らせて前方に走らせ、そこにロングボールを入れて、前線で起点を作ろうという狙い。

キックオフと同時に前線(特にサイド)に選手が走り込み、そこにロングボールを入れることは珍しいことではないが、これほどまでに極端に選手を偏らせて密集させるのは珍しいと言えるだろう。

 

公式戦10連勝達成!!連勝のままリバプール戦を迎えられるか。

これで公式戦10連勝リーグ戦7連勝を達成。必ずしも内容で圧倒し続けているわけではないが、決定機を決めきることができる前線の選手が揃っていることが大きいだろう。

この後は、EL、リーグ戦、リーグカップと続いたのち、11/4にリバプールとのビッグマッチを控える。チームの完成度はリバプールが明らかに上かもしれないが、シーズン序盤にシティ、チェルシーに連敗した際よりも完成度、戦術の浸透度は上がってきているため、今シーズンを占う絶好の力試しの試合となるだろう。

トップとは勝ち点2差で4位まで浮上してきており、リバプール戦含め、ここから年末にかけてどれだけ勝ち点を積み重ねられるか注目である。

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