【データで裏付け】フロンターレの逆転優勝のカギは?【Jリーグ2018】
第24節終了時点で、1試合未消化ながら首位と勝ち点差6で2位に付けるフロンターレ。
守備については昨シーズンの平均失点0.9を上回る0.7で、リーグ最少失点の堅守を見せている。しかし、攻撃については、昨シーズンの平均得点2.1を大きく下回る1.6となっている。リーグトップクラスの平均得点ではあるものの、優勝するためにはより攻撃力を発揮する必要があるだろう。
そこで、逆転優勝で連覇を果たすための”カギ”について、データを用いて分析したい。
【データで紐解く】川崎フロンターレの不調の要因(2019シーズン)
【分析】エース・小林悠の決定力不足
中村憲剛のチャンスメイクを小林悠がゴールにつなげられるか
※データはすべて8/26時点のSofaScoreのデータ
ゴール数 TOP10
Jリーグ全体でのゴール数を見ると、小林は11得点で4位。1位のパトリックとは6点も離れており、昨季の得点王としてはかなり物足りない数字と言えるだろう。
ビッグチャンス失敗数 TOP10
そして、ビッグチャンス失敗数を見ると、小林は13回で2位タイ。それらを半分決めていれば、得点王争いを競っている状況になっていたはずである。
さらに、今季の小林の決定力不足を表すデータがある。
合計シュート数 TOP10
合計シュート数では、小林は60本でリーグ2位。パトリックがダントツで1位となっており、ゴール数でもパトリックは独走しているため、これは何も問題ない。
一方でシュート数で2位の小林が、ゴール数で4位に沈んでいるのは、いかに決定機を決めきれていないか、ということを表しているだろう。
次に、フロンターレのチャンスメイクについて注目してみる。
ビッグチャンスクリエイト数 TOP10
ビッグチャンスクリエイト数を見ると、憲剛が13回でリーグトップ。
キーパス数 TOP10
さらにキーパス数でも、憲剛が65回でリーグトップ。こちらは2位以下と大きく差を離している。
これらのデータから、憲剛がかなりチャンスを作っていることが読み取れる。
アシスト数 TOP10
しかし、アシスト数を見てみると、憲剛はTOP10に入っておらず、アシスト4本で14位に沈んでいる。
ビッグチャンスクリエイト数やキーパス数で憲剛がリーグトップとなるパフォーマンスを見せているものの、そのチャンスを小林が決めきれてないことが如実に表れている。
残り11試合での小林の決定力が、フロンターレの逆転優勝のためには欠かせないだろう。
中村憲剛のチャンスメイクを小林悠がゴールにつなげる!!
【分析】阿部と家長のゴール不足
阿部と家長がゴール数を伸ばせるか
ゴール数 TOP10(フロンターレ)
フロンターレの選手のみでゴール数TOP10を見てみると、小林、憲剛、谷口、阿部が複数得点しているものの、それ以外の選手は軒並み1点のみ。
ゴール数 TOP10(フロンターレ) ※2017シーズン
リーグ優勝を果たした昨シーズンのフロンターレのゴール数を見てみると、得点王となった小林の23得点は申し分ないとして、阿部が10得点、谷口が7得点、憲剛、エウシーニョ、長谷川が5得点と、多くの選手が5点以上となっている。
今季と昨季のゴール数で特に気になるのは、2列目のレギュラーとして固定されている阿部と家長のゴール数である。
阿部に関しては、昨季は1トップで起用される試合もあり、今季は2列目左で起用されているという影響も少なからずあるものの、シュート精度が高くて得点を取れる選手であることを考えると、物足りないのは間違いないだろう。
家長に関しても、昨シーズンは2得点止まりではあったが、夏ごろにようやくフィットして出場を増やしたシーズンで2得点と、始めからフィットしてレギュラーとして出場を続けている今シーズンでの1得点では、大きな差があると言える。すでに現時点で出場時間も昨季合計の1.5倍に達しており、それはなおさらである。
ビッグチャンス失敗数 TOP10(フロンターレ)
ビッグチャンス失敗数を見ても、家長はこれまでに6回、阿部も3回となっている。それぞれ、もう1,2点は少なくとも決められたのではないだろうか。
次に、阿部と家長のチャンスメイクでの貢献についてチェックしてみる。
ビッグチャンスクリエイト数 TOP10(フロンターレ)
ビッグチャンスクリエイト数で、阿部、家長ともに、憲剛に次いで2,3位の数字を出している。
アシスト数 TOP10(フロンターレ)
アシスト数でも、家長は憲剛と1位タイ、阿部もこれに次いで2位の数字を出している。
キーパス数 TOP10(フロンターレ)
キーパス数では、家長が憲剛に次いで2位、阿部は3位の大島に次ぐ4位の数字を出している。
阿部も家長も、チャンスメイクの点ではしっかりと結果を残していることがわかる。しかし、得点を取れる選手が複数いるほうが相手にとっては脅威になることは間違いなく、小林の不調があってもチームとして勝ち切れる力を持つことが必要となるだろう。
逆転優勝に向けて、阿部と家長には、より自分でゴールする意識を持ってプレーしていってほしい。
阿部と家長がチャンスメイクよりもゴールをもっと狙っていく!!
【分析】日替わりヒーローの少なさ
控え組がゴールに絡む活躍をできるか
ゴール数 TOP10(フロンターレ)
今シーズンのフロンターレのゴール数TOP10を再度見ると、控え組の選手たちの得点が極端に少ないことがわかる。
ゴール数 TOP10(フロンターレ) ※2017シーズン
ここで昨シーズンのゴール数を見てみると、控え組であった長谷川、森本、森谷が複数得点を取っており、長谷川に至っては5得点を奪っている。
試合内容を見ても、控え選手の途中出場で流れを変えて勝ち点を奪った試合はほとんど無く、レギュラー組への依存度が高い状態が続いている。幸いにも、今季は主力選手の大きな怪我がほとんど無いが、リーグ終盤に向けて怪我や疲労の蓄積の可能性が高まってくるだろう。
昨季と同様に、控え組がスタメンに抜擢されて結果を残したり、途中出場で流れを変えてゴールに絡むなど、よりチーム一丸となって勝ち点を奪う試合が必要となってくるはずである。
齋藤、長谷川、鈴木、カイオらのシーズン終盤での活躍に期待したい!
控え組がゴールに絡む活躍で勝ち点を奪う!!
【まとめ】逆転で連覇を果たして歓喜を再び!!
今シーズンも残り11試合。フロンターレのチーム状態は決して悪くないが、首位広島を追いかけるためには1つも負けられないつもりで戦っていく必要があるだろう。
守備は昨シーズンよりもかなり安定しており、あとはゴールをもぎ取るのみである。
逆転で連覇を果たして、再びフロンターレファンに歓喜が訪れることを期待したい。
- 中村憲剛のチャンスメイクを小林悠がゴールにつなげる!!
- 阿部と家長がチャンスメイクよりもゴールをもっと狙っていく!!
- 控え組がゴールに絡む活躍で勝ち点を奪う!!