Wエースの決定率100%で大勝!フラム 対 アーセナル レビュー【2018/19プレミア第8節】
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試合結果とフォーメーション
2018/10/07 プレミアリーグ第8節
フラム 1-5 アーセナル
29分 ラカゼット
44分 シュールレ
49分 ラカゼット
67分 ラムジー
79分 オーバメヤン
91分 オーバメヤン
アーセナルは今季初の4-4-2を採用。エジルは負傷により欠場。オーバメヤン、ラムジーはベンチスタート。
対するフラムも今季初の3-4-4を採用。
【後半9分~】フラム:4-3-3 アーセナル:4-4-2
アーセナルが1点リードする54分、フラムは3CB中央のリームに代えてカマラを投入。4-3-3に変更し、カマラが右WGに入り、セリとビエットがIHを務める。
アーセナルはオーバメヤンとラムジーを順に投入。オーバメヤンはそのままラカゼットと2トップを形成し、ラムジーは右SHに入り、ムヒタリアンが左SHに移った。
【後半40分~】フラム:4-3-3 アーセナル:4-2-3-1
リードを3点に広げた80分、アーセナルはラカゼットに代えてゲンドゥージを投入し、いつもの4-2-3-1に変更。ゲンドゥージはボランチに入り、トレイラが2列目右に移った。
【PickUpData】シュートを確実にゴールにつなげたアーセナル
マッチスタッツ(左:フラム、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com
フラムに21本のシュートを打たれたものの、枠内シュートはそのうち4本、ビッグチャンス数は2回、エリア内シュートは7本であり、崩されて押し込まれたという内容ではなく、中央の守りを固めて、エリア外からのミドルシュートを打たせたという内容と言えるだろう。
対するアーセナルは、シュート数が9本と少し少なかったものの、枠内シュートはそのうち7本であり、結果的に5得点を奪っている。
シュート位置(左:アーセナル、右:フラム)
引用:whoscored.com
両チームのシュート位置を見ても、フラムがエリア外かつ遠い位置から多くのシュートを打っているのは明らかであり、対するアーセナルは、多くのシュートをエリア内から打っている。
平均ポジション(左:フラム、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
攻撃サイド(左:フラム、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
ヒートマップ(左:フラム、右:アーセナル)
引用:whoscored.com
フォーメーションは4-4-2に変更したものの、左サイドを起点とする攻撃が多いのは変わっておらず、ビルドアップでも左サイドで前進し、イウォビやウェルベックのサイド突破などでチャンスを作る場面が目立った。
フラムのヒートマップを見ると、アーセナルはエリア内でのプレー(攻撃)をほとんど許していないことがわかる。
【PickUpData】ラカゼットとオーバメヤンのシュート決定率100%
ラカゼットのスタッツ
引用:SofaScore.com
オーバメヤンのスタッツ
引用:SofaScore.com
ラカゼット、オーバメヤンともに、シュート2本のみで2本とも決めており、シュート決定率100%を記録。圧巻のワールドクラスの決定力をこの試合でも発揮した。
【PickUpData】着実に守備戦術が浸透中
アーセナルの守備スタッツ
引用:whoscored.com
トレイラがインターセプト数6回を記録。
ここのところスタメンに定着しているトレイラであるが、間違いなくチームの失点数減少に貢献しており、ボランチでコンビを組むジャカも攻守においてトレイラにより活かされているはずである。
Structure & dimensions of Arsenal’s & Emery’s 4-4-2 defensive block. #Arsenal#PremierLeaguepic.twitter.com/sVMKJCeLWZ
— coachdogge (@coachdogge) 2018年10月7日
エメリによる守備戦術の浸透は確実に進んでおり、アーセナルがコンパクトな4-4-2ブロックを披露するほどになっている。
アーセナルらしいビューティフルゴールと左右対称ゴール
【PL フラムvsアーセナル】
ほぼダイレクトでつないだ、アーセナルらしい流れるようなゴール。
フィニッシュはラムジーお得意のおしゃれヒール。
pic.twitter.com/DWfKuCAzjF— polestar@I love パス&ムーブ (@lovefootball216) 2018年10月7日
アーセナルらしい見事なゴール。カウンターをゴールまで結びつけたのは間違いなくラムジーの推進力であり、関わった全選手がボールの勢いを殺さず、ほぼすべてダイレクトでつなげてゴールネットを揺らした。
ラカゼットとオーバメヤン、
まさかの同じ試合で左右対称ゴール⚽⚽2人とも決定力どんだけー!!
そしてどんだけ仲良いのー!!(笑) pic.twitter.com/sRf85JAITJ
— polestar@I love パス&ムーブ (@lovefootball216) 2018年10月7日
シュート数が多くなかった試合の中でも、ラカゼットとオーバメヤンが見事な決定力を見せ、サイドからのボールを個人技でゴールに結びつけた。
少ないチャンスをゴールにできるストライカーが2人もいることによって、間違いなく勝ち点の上乗せが期待できるはずである。
4-4-2は今後のオプションになるか
公式戦初の4-4-2を披露したアーセナル。メンバー構成の都合上という要因もありそうではあるものの、前線の起点が増えるメリットを活かして、これまでよりもロングボールや早めにFWに楔のパスを入れることを意図してプレーしており、準備をして臨んだ結果かもしれない。
前半は自陣でパスカットされてショートカウンターを受ける場面が数回あり、そのうちの1回が失点につながった点は今後の課題として残るものの、後半には同じようなシーンも減り、選手交代の采配も見事に当たり、一気に突き放して勝利を決定づけた。
後半途中からオーバメヤンとラカゼットの2トップになり、実際にその布陣で3得点を奪っており、2トップでの共存は誰もが期待する布陣となるだろう。フル出場したムヒタリアンが右SHながら中央にポジションを移すプレーを見せており、エジルが起用される場合も同様のプレーで全く問題なくプレー可能なはずである。
あまり機能しなかったものの、直前のELでは3-4-2-1も採用しており、シーズンインして一定の試合をこなしてきた中で、徐々にオプションのフォーメーションも確立していきたい意図が伺える。プレシーズンでも4-2-3-1を基本としながらも、4-4-2、3-4-2-1を採用した試合があったため、この3つのフォーメーションをチームとしての選択肢として確立していきたいのだろう。
3つのフォーメーションを柔軟に使い分けるにはスカッドのバランスが物足りないかもしれないが、その時のメンバー構成や試合によってオプションを採用できる状態にしておくことは、シーズンを通して安定した結果を残していくために重要なことだろう。
連勝をどこまで伸ばせるか
これで公式戦9連勝を記録し、9月の全勝に続いて10月も好スタートを切った。怪我人がいる中でもうまくやりくりして結果を残してきており、中盤より前のメンバーについては、それぞれの特徴を活かすシーンが徐々に増えてきている。
対戦相手を考えると10月の全勝も夢ではなく、このまま最高の雰囲気で連勝を伸ばしていってほしい。
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