【プレビュー】マンチェスター・シティ 対 アーセナル【2018/19プレミア第25節】
前節ニューカッスルに敗れた暫定3位のシティは、負ければ優勝争いから遠ざかる状況で、ホームにアーセナルを迎える。
前回対戦の振り返り
シティとアーセナルの対戦は、今季プレミアの開幕戦以来。ペップのシティ対エメリのアーセナルという意味では、参考になるのはその試合のみ。
前回対戦の振り返り
【第1節】アーセナル 0-2 マンチェスター・シティ
明らかな完成度の差!アーセナル 対 マンチェスター・シティ レビュー【2018/19プレミア第1節】
エメリ就任1年目の開幕戦であり、完成度の差は一目瞭然。スタメン抜擢されたゲンドゥージの奮闘などもあったものの、内容的にはシティが大きく上回っていたと言える。
そして迎える半年ぶりの再戦で、戦術的なオプションは間違いなく増えているアーセナル。特にビッグマッチで相手に合わせて戦術的にハメていく傾向にあるエメリ体制のアーセナルは、完成度・総合力で劣っていたとしても、ハマれば勝てる可能性もあると考えられる。
シティの直近の戦いぶり
シティは前節、ニューカッスルを相手に、先制しながらも逆転されて敗れている。
シティの前節 vsニューカッスル戦の敗戦
シティはメンバーを落としていないにも関わらず、ニューカッスルの5-4-1の守備を崩して追加点を奪うことができなかった。アーセナルが同じやり方で守る可能性はあまり高くないものの、今シーズンのシティは相手の対策を上回れない試合が散見される。
シティの戦いの特徴と不調の要因
シティの特徴とアーセナルの特徴
この試合の一番の注目ポイントは、シティの攻撃をアーセナルがどれだけ抑えられるか、になることは間違いない。
シティの攻撃の特徴
【参考】CLでの対4-4-2ブロックの攻略
シティの攻撃における特徴としてわかりやすいのが以下2点。
- 【ビルドアップ】数的優位の柔軟性
4バックが左にスライドして後方で3枚を作る形や、SBが守備側の前プレ隊の脇を使おうとする偽SBや、IHがフェルナンジーニョ横まで下りてくる形など、後方で数的優位を作るためのパターンを多く持っている。
- 【崩し】IH+WGによるハーフスペースを使った崩し
後方の数的優位で守備側の1stラインを突破したのち、ミドルサード突破やファイナルサードでの崩しの局面で特徴的なのがIHとWGのポジショニング。IHとWGの選手がハーフスペースとワイドの位置で斜めの関係を作ることで、後方からのパスコースを空きやすくし、どちらかにボールが入ったあとの展開もスムーズにいきやすい。WGとIHでポジションチェンジも行うため、守備側としてはより捕まえにくい状況が起きる。
アーセナルの守備の特徴
一方、アーセナルの守備では、参考になると思われるのは直近のチェルシー戦。
CL復帰への執念を見せたアーセナル。アーセナル 対 チェルシー レビュー【2018/19プレミア第23節】
特徴は同じとは言えないものの、シティと同じく4-3-3を採用しているチェルシーに対するアーセナルの守り方は、4-3-1-2の布陣とし、主な特徴は以下の通り。
- 【前方】前線の2+1で最終ライン+アンカーのビルドアップを制限
- 【中盤】3センターの横スライドでサイドからの攻撃に対応
- 【後方】クロスは許容して中央に絞る
そして、ボールの奪いどころはこの2つ。
- 【前方】SBに入ったところで挟み込み
- 【後方】クロスボールの跳ね返し
シティに対しても、似たような守り方を採用する可能性はありえるだろう。
アーセナルの攻撃とシティの守備
逆に、アーセナルの攻撃とシティの守備はどうなるか。
後方のポジションの怪我人が多いアーセナルは、起用できるメンバーを考えると、ボールを繋ぐことがより難しい状況と言えるかもしれない。さらにシティは、ネガトラ時の素早いプレスも特徴的であるため、アーセナルは無理に繋ぐことをしない可能性が高いだろう。
前線のメンバーの特徴を活かした縦に早い攻撃やセットプレーで得点を狙うしかないと言える。
前線の決定力で言えば、オーバメヤンとラカゼットの決定力がこの試合で発揮されるのを期待するほかない。
セットプレーでは、このところキッカーを任されているトレイラのキックの精度の高さがここにきてゴールに結びつく可能性は十分にあるだろう。
両チームの予想布陣と展望
アーセナルは多くのフォーメーションの選択肢があるものの、考えられるのは2つ、4-3-1-2 か 3-4-1-2 ではないだろうか。シティのフォーメーションは4-3-3でほぼ間違いないはず。
予想スタメン①:アーセナル 4-3-1-2
シティは、メンディがこの試合から復帰する可能性が出ている。
WGは選択肢が多いものの、両SB(WB)の守備に不安があるアーセナルに対して、マフレズやB・シルバよりも縦に突破ができるスターリングとサネの起用の可能性が高いか。
そしてアーセナルは、4-3-1-2を採用した場合はこのメンバーになるか。コシェルニーが復帰予定であるものの、ムヒタリアンとナイルズは間に合わず、さらにはジャカが遠征に帯同していないという噂が出ている。
戦術的な噛み合わせを考えると、個人的には4-3-1-2がベストではないかと思うものの、ジャカが欠場の場合は、アンカーの代わりがエルネニーしかいない状況でこれを採用するかはかなり疑問。
ラムジーを3センターの一角で起用する案もあるものの、前線での役割を代わりにこなせる選手が見当たらない。
予想スタメン②:アーセナル 3-4-1-2
CB不足という状況がありながらも、3センターを組めない場合の布陣は3-4-1-2があり得るのではないだろうか。
CBにはモンレアルが入ることが可能(マヴロパノスのスタメン抜擢は考えにくい)。攻守に貢献できる前線3枚のユニットを活かすこともできる。
この場合、常に引いて5バックというより、マンツーマンで前から猛烈にプレスし、押し込まれたら5-3-2で守備ブロックというやり方になるだろう。
試合内容の展望
どちらにしても、シティはGKや最終ラインのビルドアップ能力が高く、チェルシー戦と同じようにハメていくことはかなり難易度が高い。さらに、前線の高さの無さはチェルシーと共通ではあるものの、単純なクロスを上げ続ける可能性は低く、ハーフスペースを使った崩しや、サイドの奥のスペースの突破をより狙ってくるはずである。
サイド深くまで突破されてからの速いグラウンダーのクロスやマイナスのクロスを続けられると抑えきるのは難しくなるだろう。
アーセナルはただでさえ完成度で劣っており、さらにメンバーが限られる状況で、エメリの采配がハマるかどうかがポイント。そしてそれを支えるのは、アーセナルが昔からビッグマッチで稀に見せる、爆発的なインテンシティーの高さになることは間違いない。
これぞ中毒性の高いアーセナルだ、という試合をぜひ見せてもらいたい。
Come On You Gunners!!
2/3(日)25:30~
プレミア第25節
マンチェスター・シティ vs アーセナル
グーナーおなじみのせこさんのプレビューはこちら
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