ドラマチックな開幕!アーセナル 対 レスター レビュー【17-18プレミア第1節】
試合結果
2017/08/11 プレミア第1節
アーセナル 4-3 レスター
1分 ラカゼット
4分 岡崎
28分 ヴァーディー
47分 ウェルベック
55分 ヴァーディー
82分 ラムジー
84分 ジルー
スターティングメンバー
試合経過
1分、左サイドからジャカがサイドチェンジしたボールが右のベジェリンに渡ると、ベジェリンはエルネニーにパス。エルネニーがダイレクトで中央にクロスを入れると、これにラカゼットがヘディングで合わせて、ゴール左に決める。アーセナル先制!
4分、レスターの左コーナーキック。ショートコーナーからオルブライトンがクロスを上げると、ファーサイドに飛んだボールをゴールラインぎりぎりでマグワイアが中にヘディングで戻すと、これに岡崎が合わせてゴールに押し込む。レスター同点!
28分、アーセナルのビルドアップをレスターが素早いプレスでパスミスを誘い、ボールを拾ったオルブライトンが左サイドを駆け上がると、GKとDFの間に上げた鋭いクロスにヴァーディーが詰めて、レスター勝ち越し!
レスターはホールディングの右脇のスペースをヴァーディーとオルブライトンが飛び出して徹底的に使う狙いでチャンスをたびたび作る。
47分、バイタルエリアでエジルがボールを受けると、DFを背負うラカゼットにパス。ラカゼットが強引にシュートしたボールがDFに当たりこぼれると、このボールを拾ったコラシナツが冷静にウェルベックに折り返し、ウェルベックが流し込んで、アーセナル同点!
2対2の同点で前半を折り返す。
55分、右コーナーキックからヴァーディーが頭ですらして、ファーサイドのゴールネットに突き刺す。レスター勝ち越し!
66分 アーセナル OUT:エルネニー、ホールディング IN:ラムジー、ジルー
4-2-3-1に変更し、CBはモンレアルとコラシナツ、SBはベジェリンとチェンバレンの左右を入れ替える。
67分、左サイドのラカゼットがクロスを上げると、後ろから走りこんだラムジーが合わせるも、これはゴール左に外れる。
右サイドに代わったチェンバレンが積極的にオーバーラップし、攻撃に絡んでチャンスを作る。
72分 レスター OUT:岡崎 IN:アマーティ
74分 アーセナル OUT:ウェルベック IN:ウォルコット
攻撃時はエジルが左に流れてラカゼットがジルーの横に位置し、4-4-2に近いフォーメーションでレスターの守備陣の攻略を狙う。
81分 レスター OUT:ジェームス IN:イヘアナチョ
82分、アーセナルの左コーナーキックからDFがクリアしたボールをジャカがPA手前で拾うと、PA内右のラムジーにアウトサイドで出す。ラムジーがトラップでDFラインの一歩前に出ると、そのままシュートをゴールネットに突き刺す。アーセナル同点!
83分、ジルーがDFラインの裏に抜け出してボールを受けると、ラカゼットにボールに戻す。ラカゼットはDF2人と対峙するものの、ドリブルでDFをかわしてシュート。強烈なシュートはシュマイケルを襲い、コーナーキックに。
84分、その流れからの右コーナーキック。ジルーがモーギャンとマグワイアと競りながらもヘディングしたボールはゴール左上バーに当たってゴールに吸い込まれる。アーセナル逆転!
88分 レスター OUT:オルブライトン IN:グレイ
そのままアーセナルが守り切り、劇的な開幕戦を制する。
苦手な開幕戦を劇的な展開で制したアーセナル
プレミアリーグ17-18開幕戦。アーセナルは、コミュニティシールドを負傷で欠場したエジルがスタメンに復帰。新加入のラカゼットとコラシナツもスタメン起用。3バックはコシェルニーが出場停止、メルテザッカーが負傷中、ムスタフィがコンディション不良のため、コラシナツ、モンレアル、ホールディングという急造3枚構成。
開始早々、両チームともに得点を奪い、派手なスタートとなる。アーセナルがボールをキープしつつも、レスターはカウンターとセットプレイを徹底的に狙う形。レスターは狙い通り素早いプレスからのショートカウンターでリードすると、その後もアーセナルの3バック脇のスペースを徹底して攻める。守備で苦戦しながらも、アーセナルは前半終了間際に追いついて、同点で前半を折り返す。
後半に入っても、展開は変わらず。アーセナルがボールを持ちながらも、レスターはカウンターとセットプレイからのチャンスを狙い続ける。すると55分、レスターがコーナーキックから再び勝ち越し。崩しきれないアーセナルはジルーとラムジーを投入し、4-2-3-1に変更するとともに、左サイドで窮屈であったチェンバレンを右サイドに変更する。すると、ラムジーの前線への飛び出しとチェンバレンの効果的な攻撃参加で再び勢いを取り戻し、ゴールに迫るシーンを作り始める。残り10分を過ぎたところでレスターは新加入のイヘアナチョを入れると、これで守備のマークがずれ始める。その直後、セットプレイ絡みで一気にアーセナルが2点をゲットして逆転。交代策が見事に的中し、シーソーゲームを制してアーセナルが初戦を勝利で終えた。
能力の高さを見せた新加入のラカゼットとコラシナツ
開始1分でプレミア初ゴールを決めたラカゼット。期待の新ストライカーが早速その決定力を見せつけた。周囲との連携はまだまだ向上の余地があるものの、ゴールを狙うイメージとそのテクニックの高さを随所で見せた。4-2-3-1変更後は2列目の左に入ると、そつなくフィットし、ジルーとの共存という選択肢も示してくれた。アーセナルの前線の攻撃のバリエーションを増やし、間違いなく攻撃力をアップさせる存在になるだろう。
一方のコラシナツも、本来は左サイドの選手ながら、フィジカルの強さと戦術理解度の高さで左CBをそつなくこなすと、さらには本来の縦への推進力を発揮して攻撃にもアクセントを付ける場面もいくつか作った。左CB、左WB、左SBを高いレベルでこなし、欠かせない存在になることを予感させた。
両WBについては、コミュニティシールドに続き、右にベジェリン、左にチェンバレンという組み合わせでスタートしたが、チェンバレンを左に置くと、サイド深くまで突破しても右足に持ち替えることが多くなり、その攻撃力は半減してしまう。現状のパフォーマンスを見る限り、チェンバレンを右WBのスタメン、ベジェリンはベンチという形がベストであると考えられる。
3バックについては、コシェルニーやムスタフィが起用できれば、カバーリングや統率、ビルドアップの安定度ももう少し上がるはずで、さらにそれによりコラシナツを左WBに起用することができれば、攻守のバランスも改善されるか。いずれにしても、3バック脇のスペースを使われることへの対策と、WBのポジショニングについては、より向上させる必要があるだろう。
ラカゼットとコラシナツの柔軟さにより、3-4-2-1と4-2-3-1(4‐4‐2)を併用できる可能性も出てきており、対戦チームや試合展開の応じて使い分けることができるようになれば、今季のアーセナルはかなり期待できるのではないか。サンチェスの去就がいまだ不透明であり、試合内容的にも課題があるものの、コミュニティシールドとリーグ開幕戦で連勝し、結果としては良いスタートを切ったアーセナル。過去最悪のシーズンとなった昨季であるが、今季はプレミアとELでタイトルを獲得するアーセナルを期待したい。
Come On You Gunners!!