ACLの二の舞を避けて決勝進出!川崎F 対 仙台 現地観戦レビュー【2017ルヴァンカップ準決勝2ndleg】
試合結果
2017/10/8 ルヴァンカップ準決勝2ndleg
川崎F 3-1 仙台
29分 三好
48分 三好
59分 中野
89分 長谷川
※トータルスコア 5-4
スターティングメンバー
試合経過
12分、憲剛が家長、三好とのパス交換でPA内左に進入し、そのままシュート。これは惜しくもGKに弾かれる。
29分、森谷の縦パスを憲剛がヒールで流すと、三好がDF裏にフリーで抜け出し、落ち着いてゴールネットを揺らす。フロンターレ先制!
トータルスコアは3-3。アウェイゴール数でフロンターレがリード。
30分、右サイドからの折り返しに中野が詰めてゴールネットを揺らすも、クリスランのキーパーチャージでノーゴールの判定。
フロンターレのリードで前半を折り返す。
46分、憲剛が右サイドの三好にボールを渡すと、三好は右からカットインして左足で巻いたシュートはわずかにゴール左に外れる。
48分、森谷がDFの隙間にスルーパスを通すと、エウシーニョがDF裏でボールを受けシュート。これはGKが弾くが、こぼれ球を三好がダイレクトで押し込む。フロンターレ追加点!
トータルスコアは4-3。
51分、奈良が2枚目のイエローカードで退場。フロンターレは10人となる。
54分 川崎F OUT:森谷 IN:板倉
板倉をCBに入れ、憲剛をボランチに下げて、4-4-1とする。
59分、左サイドからPAに進入した中野がドリブルで2人かわすと、思い切り振り抜いたシュートはゴール右上に突き刺さる。仙台が1点返す。
トータルスコアは4-4。アウェイゴール数でフロンターレがまだリード。
65分 川崎F OUT:三好 IN:長谷川
1人多い仙台が押し込み続け、フロンターレは完全に引いてブロックを作り逃げ切りを図ろうとする。
82分 川崎F OUT:小林 IN:ハイネル
89分、フロンターレが久しぶりにボールをキープ。ネットの縦パスを受けた長谷川がPA手前中央でフリーになると、左足で巻いたシュートはゴール左上に吸い込まれる。フロンターレ3点目!
トータルスコアは5-4。
91分、家長、憲剛とつなぎ、右サイドのスペースにスルーパスを出すと、エウシーニョが1人でゴール前まで持ち込みシュート。これはわずかにゴール左に外れる。
フロンターレが10人でなんとか逃げ切り、決勝進出!
アウェイゴール2点を持って迎えた2ndleg
1stlegでうまくいかなかった3バックをやめて、慣れた4-2-3-1でスタートしたフロンターレ。U-21枠には板倉ではなく三好を右サイドでスタメン起用。得点が必須のフロンターレは序盤から攻勢に出る。すると29分、憲剛の見事なヒールパスから、スタメンに抜擢された三好が期待に応えるゴールを奪い、先制に成功。これでトータルスコアは並んだものの、アウェイゴール数でフロンターレがリードしている状況。そのゴール直後、仙台が隙を突いて右サイドでフリーになると、折り返したボールに中野が詰めてゴール。しかし、クリスランのキーパーチャージがあり、このゴールは認められず。フロンターレがリードしたまま前半を折り返す。
後半に入ってもフロンターレが優勢に進める。すると48分、森谷のスルーパスからエウシーニョがPA内でフリーになると、シュートのこぼれ球に三好が詰めて、フロンターレが2点目をゲット。リードを広げる。このままフロンターレが優勢に進めるかと思われたところ、51分、奈良がこの試合2枚目のイエローカードをもらい退場に。フロンターレは残り40分を10人で戦うこととなる。フロンターレは森谷に代えて板倉を投入し、憲剛をボランチに下げて4-4-1とする。追いかける仙台は1人多い状況を生かしてボールを支配し、サイドを起点にして押し込み続ける。すると59分、中野の見事なドリブルとシュートで仙台が1点返す。仙台はもう1点取れば、トータルスコアで逆転する状況に。フロンターレはこの日2得点の三好を下げて長谷川を投入し、ほぼ5バックでサイドをケアしつつ、中央も固めてクロスを跳ね返す。防戦一方のフロンターレであったが、89分、各選手のキープ力を生かして敵陣でボールを回す時間を作ると、その流れからゴール前でボールを持った長谷川が見事なシュートを突き刺して、貴重な追加点を奪う。しかし、1点取れば延長に持ち込める仙台がロスタイム6分間も攻め続けるが、谷口を中心としたDF陣がたびたび仙台の攻撃を跳ね返すと、そのままフロンターレが逃げ切り、決勝進出を決めた。
確かな技術と的確な判断で圧倒的な存在感を示した憲剛と家長
今シーズン、控えから活躍できぬまま、怪我も重なり、ほとんど出場機会を得られていなかった三好。この試合でスタメンに抜擢されると、左サイドではなく右サイドにポジションを取り、また、サイドに張るのではなく、中央に入り細かいボール回しに絡んだり、前線に飛び出して得点を狙う動きを見せ、結果的に2得点の活躍を見せた。阿部が離脱中の前線において、今後の試合でも貴重な戦力となっていくだろう。
トータルスコアで逆転しつつも、奈良の退場により劣勢を強いられることとなったフロンターレ。ACLでの車屋退場からの浦和の大逆転劇の二の舞が頭をよぎる中、圧倒的な存在感でチームを引っ張ったのはベテランの憲剛と家長。押し込まれ続けて守備に追われる中、わずかなマイボールのチャンスをハイレベルな技術でしっかりとキープしていったん落ち着かせつつ、少ない人数でカウンターで追加点を狙うチャンスを伺い、終盤にはスタミナが残っていない中で猛ダッシュでプレスをかけて相手の反撃をつぶすことを試みた。阿部や大島が不在の中、攻守において憲剛と家長にかかる負担は大きいものの、見事に体現してチームを引っ張り、決勝進出をたぐりよせた。
憲剛や家長のみでなく、ネットはリスクのあるパスを自重してバランスをとってキープ力を生かし、エウシーニョや登里はスタミナを生かして最後まで攻守に走り抜き、谷口は何度も襲い掛かる仙台の攻撃をゴール前で跳ね返し続け、ソンリョンは体を張ってゴールを死守し続けた。
シーズン終盤にきて中心選手が負傷する中、主力がそれぞれの持ち味を発揮するのみならず、控え選手がそれぞれ好パフォーマンスを発揮し、チームを救う活躍を見せている。いまだ3冠の可能性を残しており、ルヴァンカップは決勝まで駒を進めた中、今季こそ初タイトルを獲得する布陣ができあがっただろう。