映像とデータで振り返るセネガル戦【日本代表|ロシアW杯2018】

2018年7月2日日本代表

↓↓セネガル戦プレビュー記事はこちら

引き分けに終わったセネガル戦について、映像データを踏まえて振り返る。

2018/06/25 ロシアW杯第2節
日本 2-2 セネガル
11分 マネ
34分 
71分 ワゲ
78分 本田

日本対セネガル スタメン

両チームの得点シーン及び日本の好プレーのシーンを映像で振り返る。

  •  【11分】セネガル1点目のシーン(マネ)
  •  【16分】日本のチャンスシーン1(長谷部)
  •  【34分】日本1点目のシーン(乾)
  •  【44分】日本の華麗なオフサイドトラップ
  •  【60分】日本のチャンスシーン2(柴崎→大迫)
  •  【64分】日本のチャンスシーン3(乾)
  •  【71分】セネガル2点目のシーン(ワゲ)
  •  【78分】日本2点目のシーン(本田)

【11分】セネガル1点目のシーン(マネ)

原口と川島の2つのミスが連続したことで失点につながった。ワールドカップの舞台で連続したミスが失点につながるのは当然のことだろう。

【16分】日本のチャンスシーン1(長谷部)

セカンドボールを拾った長谷部がダイレクトで香川に縦パスを入れたことで、攻撃のスイッチが入ったシーン。香川がターンで前を向き、素早くに展開したのが見事であった。の仕掛けに対して香川長友も近寄って絡んでいったが、狭くなってしまった。長谷部のミドルはかなり際どいコースに飛んでいた。

【34分】日本1点目のシーン(乾)

の得点シーン。関わった全員が同じイメージを持っていたと思われる素晴らしいプレー。

【44分】日本の華麗なオフサイドトラップ

世界が賞賛する日本の見事なサインプレーによるオフサイドトラップ

【60分】日本のチャンスシーン2(柴崎→大迫)

香川にボールが入った瞬間から柴崎が素早い状況判断で”3人目の動き”として右サイドにいち早く開き、そのままダイレクトでGKとDFの間の危険なエリアにグラウンダーのクロスを入れた。大迫の詰めがわずかに合わず。

【64分】日本のチャンスシーン3(乾)

こぼれ球を拾った瞬間に昌子は迷うことなくスペースにロングパス。大迫がうまくキープして、ヒールで落としたところにが走りこんでダイレクトで巻いたシュート。形は完璧であった。

【71分】セネガル2点目のシーン(ワゲ)

マネに対して酒井宏樹原口が付いていたが、いったん動きを止めた状態でうまく浮かせてボールを通されてしまった。中でサバリに対して柴崎もマークについていったが、ルーレットで華麗に向きなおして、鋭いクロスを入れられてしまった。最後は、ワゲの位置に気付くのが遅れ、ワゲのスピードにも追い付くことができなかった。

【78分】日本2点目のシーン(本田)

セネガルのGKのキックが中途半端になり、フリーで拾った昌子は素早く岡崎に縦パスを入れた。大迫も手数をかけずに中に放り込み、岡崎が得意の潰れ役を2回こなし、もしっかりと逆サイドに詰めたうえで冷静に折り返した。最後はプロフェッショナルが冷静に押し込んだ

両チームともにポイントとなった日本の左サイドの攻防

セネガルはポーランド戦とは異なり、4‐4-2ではなく4-3-3を採用してきた。さらに、試合開始早々から日本の左サイドに選手を密集させた。これはデータ(WhoScored.com)にも如実に表れている。

  左:日本 右:セネガル
ボールタッチのヒートマップ
日本対セネガル_ヒートマップアタックサイド日本対セネガル_アタックサイド平均ポジションマップ
日本対セネガル_プレイヤーポジション

セネガルは右サイドで崩して、中央でマネ、逆サイドで左SBのサバリがフィニッシュに絡む形を想定したようである。これは、海外組ではない昌子や身長の低い長友がいる日本の左サイドのほうが攻略しやすいと考えたのであろう。しかし、クレバーな守備で貢献した、粘り強さで封じ込めた長友昌子らにより、日本はこれを封じ込めた。

セネガルの先制点は日本の左サイドを起点としたものであるが、中央も逆サイドも日本の守備は足りており、完全に崩されたわけではないだろう。また、逆にセネガルの2点目は、左サイドで起点を作り、右サイドにSBが詰めたシーンとなった。

狙い通りのセネガルの右SB裏へのロングパス

・セネガル戦 ロングパス(成功数/試行数)
柴崎:5/9 56%
昌子:5/9 56%
吉田:3/10 30%
長谷部:2/5 40%
WhoScored.comより

何度も対角線のロングパスを通した柴崎に加え、昌子も多くのロングパスを成功させている。日本の1点目柴崎のロングパスが起点であるし、日本のチャンスシーン32点目のシーンは昌子のパスが起点となっている。セネガルの右SBの裏がウィークポイントであると事前のスカウティングにより判明しており、そこをチームとして徹底的に狙ったことが表れている。

セネガル相手にポストプレーで競り勝った大迫

195,6㎝の高身長と圧倒的なフィジカルを持つクリバリサネを相手に、大迫ポストプレーを成功させることは極めて難しいと考えられていたが、良い意味で大きく予想を裏切ってくれた。位置取りやタイミングなど、単純なフィジカル勝負以外の要素も活かして、見事に前線でボールを納め続けた。これは、ブンデスリーガで大型CBたちと競り合ってきた経験を活かしたものだろう。

試合終盤にはコロンビア戦に続いて、またもやゴール前で体を張ったディフェンスも見せ、攻守において試合に貢献したと言える

絶対的な”日本代表7番”を継承した柴崎の存在感

柴崎はキックの精度はもちろんのこと、状況判断が桁違いに優れていた。ロングパスで日本の1点目の起点になっただけでなく、大迫への絶妙なクロスのシーンでも、いち早く右サイドのスペースに走り込み、躊躇なくダイレクトで鋭いグラウンダーのクロスを送り込み、あと一歩で得点につながるシーンを演出した。

また、その優れた状況判断により的確なポジショニングを取ることで、何度もセカンドボールを拾い、そのまま縦に早い意識で攻撃に転じる起点となり、日本の攻撃を司った。

柴崎はこの2戦で圧倒的な存在感を見せつけており、日本代表7番の系譜を引き継いだと言えるだろう。

引き分け以上で決勝トーナメント進出となるポーランド戦

コロンビア戦では相手の1人退場を活かして冷静に試合を運んだ上で勝ちきり、セネガル戦では2回勝ち越されながら追い付き、勝つ可能性すら十分にあったパフォーマンスを発揮した日本代表。ミスによる失点や、相手に優位を与える時間帯もあるものの、この大舞台でこれほどの対応力を発揮している日本代表はかつてあっただろうか

1勝1分というほぼ最高のシチュエーションで迎える3戦目のポーランド戦。相手のポーランドは決勝トーナメント進出の可能性が絶たれており、この試合へのモチベーションにも疑問がある状態である。しかし、ワールドカップの舞台で簡単に負けることは許されず、逆にプレッシャーから解放されて好プレーを発揮してくる可能性も十分にあるだろう。

日本は引き分け以上で自力での決勝トーナメント進出となるが、実力では上の相手に対してどのように試合に臨むだろうか。スタメンが固定されており、連戦でのスタミナが気になるところであるが、今のチームの雰囲気であれば、どの選手が出てもチーム全体での優れた対応力で結果を出してくれるだろう。