連覇に向けて巻き返せるか?フロンターレの後半戦を占う【2018シーズン】

2018年7月10日Jリーグ

3位で中断期間を迎えたフロンターレ。首位とは勝ち点10差

15試合を終えて勝ち点27で3位。首位の広島と勝ち点10差で中断期間を迎えたフロンターレ。連覇がかかる今季は、よりプレッシャーが強くなり、対戦相手もよりフロンターレ対策をして挑んでくることが予想され、苦戦すると思われた。案の定、ACLで苦戦し、過密日程も重なってリーグ戦でも本来のパフォーマンスを発揮できない試合が続いた。そんな中でも勝ち点を積み重ねたものの、広島の快進撃によって差を付けられることに。

しかし、まだまだリーグ戦は半分以上残っており、中断期間で戦術を今一度浸透させて、今季加入選手たちのフィットという上積みもあれば、後半戦で巻き返せる可能性は十分にあるだろう

大久保とネットを放出。今季加入選手たちがどこまで台頭できるかがカギ

フロンターレ_2018後半戦スカッド_20180709

中断期間にスカッドに大きな変化が起こった。出戻りの大久保がなかなか今のフロンターレにフィットできず、徐々に出場機会を減らしていくと、その立場も踏まえて磐田への移籍を決断。わずか半年でチームを離れることとなった。また、大島と共にリーグ屈指のボランチコンビとなっていたエドゥアルド・ネットであるが、大卒ルーキーの守田がSBなどで出場機会を徐々に得る中で評価を高めていくと、本職であるボランチでも出場機会を掴み、一気に序列が逆転。大久保と同様に、ネットも出場機会を求めて名古屋移籍を決断した。

重要な戦力である2人がチームを離れたものの、ACLも敗退してスカッドが豊富過ぎたため仕方ないか。スタメンという意味では、守田が完全にポジションを掴む活躍をしているし、前線では昨年同様に不動の4人が構えているため、大きな問題とはならないだろう。

とはいえ、怪我人が出たり、苦しい試合展開の中で、控え選手たちの奮起が後半戦はより一層求められるだろう。今季加入選手では、鈴木がラッキーボーイの活躍をしたものの、まだ継続して良いパフォーマンスを発揮するまでには至ってないし、下田赤崎も出場機会を掴めずにいる。大久保ネットが抜けたことで、後半戦は少なくともベンチ入りする可能性は十分にあり、少ないチャンスを活かして、チームに良い競争を生んでいってくれれば、また強いフロンターレが築けるだろう。

 

知念と斎藤をどのように活かすか。アクセントにするのかフロンターレ流に染めるか

前半戦で一定の出場機会を得た知念斎藤。この2人をチームとしてどのように活かすかが後半戦のポイントとなるだろう。

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知念は1トップとして、よりFWらしく、ポストプレーでボールを収める役割を果たして一定のパフォーマンスを発揮した。しかし、これまでフロンターレでは、小林悠阿部が1トップを務め、流動的な役割で攻撃を活性させることが多かった。これこそがフロンターレ流であり、レギュラークラスの選手たちに染み込んだプレースタイルである。その一方、相手に対策されると崩しきれないこともあり、タイプの異なるFWを求めていたのは事実である。そこに台頭した知念であるが、本人としてもチームとしても、どのようなプレーを求めるのかに迷いを感じる。ポストで収められるため、縦に速くボールを展開するシーンを作れるようになったものの、チームとしてそこからのアイディアが確立されておらず、知念が前線で孤立することも目立った。また、小林悠であれば、前線で孤立しても単独で強引に突破する技術と大胆さも備えているが、知念はそこまでのアグレッシブさとスキルをまだ発揮できておらず、周りにボールを渡すことを優先しているように見える。知念の良さを活かして周りが少し変わるのか知念がフロンターレ流に染まって流動的な動きをするのか、どちらも必要であるものの、チーム全体として意思統一は必要となるだろう。より攻撃のいろんな引き出しを持つことが、今後の厳しい試合で勝ち点を最後にもぎ取る助けになるだろう。

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また、大怪我から復帰した斎藤学。フロンターレの左サイドにはもともとドリブル突破を持ち味とする長谷川がいるため、どのように使い分けるかが注目された。怪我から復帰後、早くチームにフィットさせようとしたのか、予想以上に多くの出場機会を与えられていたように思える。チームとしても、崩しきれずに終盤にアクセントが欲しい試合が多く、スーパーサブとしての斎藤の存在はとても魅力的に見えたのだろう。実際にピッチに立つと、斎藤は左サイドで開いてポジショニングをとり、チームとしてもそこにボールを預けようとする意識が感じられ、ドリブル突破で引いた相手を崩す糸口を作ってほしいという意図が感じられた。しかし、そう簡単に引いた相手にドリブル突破をすることは難しく、それほど効果的なパフォーマンスを見せられない試合が続いた。マリノス時代の終盤には、ドリブル突破に固執するのではなく、ドリブルとキープ力を生かしつつも、最後は周りを使ってアシスト役に回るようなプレーが多くみられるようになっていた。フロンターレ流に染まるのであれば、むしろマリノス時代の終盤に見せていたようなプレーが必要であるが、今のフロンターレが求めるのは、崩せない局面で個で突破してくれるアクセントとなるプレーだろう。知念と同様、チームとして斎藤にどのようなプレーを求めるのか、より明確にしていく必要があるだろう。

昨年も、阿部が徐々にフィットしていき、5,6月から好パフォーマンスを発揮し、家長は8月頃から急激にフィットし、シーズン終盤には欠かせない選手になった例がある。今年はワールドカップによる中断期間で、チームにフィットさせるための時間がより多くあったことから、中断期間明けに今季加入選手たちが好パフォーマンスを発揮することをより期待していいだろう。控え選手たちの奮起により巻き返していく後半戦のフロンターレに期待したい。