新生アーセナルのファーストマッチ!ボアハムウッド戦レビュー【2018プレシーズンマッチ】

2018年7月15日プレミアリーグ

新生アーセナルのファーストマッチ、ボアハムウッド戦!

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試合結果

2018/07/14 プレシーズンマッチ

アーセナル 8-0 ボアハムウッド
7分 オーバメヤン

9分 オーバメヤン

17分 オーバメヤン(PK)

35分 ネルソン

39分 ラカゼット

53分 エンケティア

71分 アデレード

79分 ムヒタリアン

アーセナル ボアハムウッド プレシーズン前半は、4-3-3を採用(両サイドが高めかつサイドに張り気味に見えたので、4-2-3-1というより4-3-3というイメージ)。ラカゼットオーバメヤンを同時起用。昨季も出場機会があったネルソンウィロックに加えて、スミス・ロウオセイ=トゥトゥという若手メンバーを起用。CBはギリシャ人コンビ

左サイドに張ったオーバメヤンを起点に攻撃を繰り返した。ナイルズが積極的に前線まで上がり、アクセントを付ける動きを見せた。若い選手が多かったものの、中盤センターの狭いスペースでもダイレクトパスでつなぐシーンが数回あり、アーセナルらしさを見せた。

アーセナル ボアハムウッド プレシーズン

全員交代して迎えた後半は4-4-2を採用。ルーカス・ペレスエンケティアの2トップ。チェンバースはボランチで起用。アデレードを右サイドで起用。

アデレードが積極的にボールに絡み、右サイドで起点となった。ジェンキンソンがフリーでオーバーラップするシーンが目立った。ラムジーはボランチ起用ながらも得意のBox-to-Boxの動きでアクセントを付けた。

アーセナル ボアハムウッド プレシーズン

77分に、アデレードに代えて期待のゲンドゥージを投入。ゲンドゥージはおそらく右ボランチに入り、4-2-3-1のような形に変更したように思われる。ムヒタリアンルーカス・ペレスはサイドに張るのでなく、エンケティアの近くでシャドーのようなポジショニングをしていた。

ゲンドゥージが何度もポジショニングを変えながらビルドアップのテンポを作る動きを見せた。

ラカゼットとオーバメヤンの共存の可能性

昨季終盤にもあった、ラカゼットがトップで、オーバメヤンが左サイドに入って2人が共存する形。オーバメヤンは中央でのプレーを望んでいると言われているものの、この形のポテンシャルは非常に高いことが改めて確認できた。

ポジショニングポストプレーに優れ、自分で決めることも起点になることもできるラカゼットが中央に入ることで、攻撃のバリエーションが増え、周りの選手をうまく活かすことができるオーバメヤンは左サイドでスピードを活かして突破することもできるし、中央にカットインしてシュートを狙うこともできるし、右サイドからのクロスに合わせることもできるだろう。

能力の高いこの2人を共存させないのはもったいなく、同時起用をファーストチョイスとして考えたほうがよいのではないだろうか。ここにエジルムヒタリアンが絡んだ攻撃ユニットは、リーグ屈指の攻撃力を誇る可能性すら十分にあるだろう。

一定のパフォーマンスを発揮したスミス・ロウ、ネルソン、エンケティア、アデレード

前半に出場したスミス・ロウネルソンスミス・ロウは中央での起用となったが、狭いスペースでも正確なタッチでボールをコントロールしていたし、ポジションを移動して起点になる動きを見せていた。目に見えてわかりやすいアピールとなるようなプレーは無かったかもしれないが、むしろ違和感なくプレーできていたことが評価に値するだろう。ネルソンは得意のスピードを活かして右サイドを突破するだけでなく、中に絞って攻撃に絡む形を見せるなど、縦の突破を選びがちだった昨季よりもプレーの幅が増えたのかもしれない。引き続きチャンスはあるだろう。

同じく前半に出場したウィロックオセイ=トゥトゥであるが、大きなミスなどは無かったものの、2人とも無難なプレーに終始したか。ウィロックは中央でもドリブルで突破する縦の推進力がある選手のはずであり、持ち味を出し切れなかったように思える。オセイ=トゥトゥに関しては、ボールにはある程度絡んだものの、サイドの深い位置まで進入するようなプレーがもう少し欲しかったか。

後半に出場したエンケティアアデレード。2人ともゴールをあげる活躍を見せ、アピールに成功したと言えるだろう。特にアデレードは、サイドを突破するプレー中に絞るプレーをバランスよく発揮し、強烈なミドルシュートを決めるなど、多彩な才能を垣間見せた。もともと2シーズン前にナイルズとともにトップチームで出場機会があったものの、その後立ち位置としてはナイルズに大きく離されてしまったが、ポテンシャルは間違いなく、ナイルズと同様にトップチームに割り込んでもおかしくない存在となるだろう。

低調なパフォーマンスに終わったベジェリン、ジェンキンソンの右SB2人

多くの若手が出場している前半において、安定したパフォーマンスを見せるべきであるベジェリンであるが、低調な内容に終始した。オーバーラップしても相変わらず選択肢に乏しく、チャンスに絡むような効果的なプレーをできず、守備でも突破されるシーンを作ってしまった。やはりすぐに変わることは難しいようで、エメリリヒトシュタイナーに一から叩き込んでもらう必要があるのでないだろうか。

後半に出場したローンバック組のジェンキンソンであるが、極めて厳しいパフォーマンスであったと言わざるを得ないだろう。右サイドに大きなスペースがあるシーンが多かったため、フリーでオーバーラップするプレーを何度も見せたが、最後まで突破できたシーンはほとんどなく、クロスを上げても全く精度の無いクロスばかりとなってしまった。リヒトシュタイナーも加入しており、ジェンキンソンが残留する可能性は極めて低いかもしれない。

ポテンシャルを感じさせたゲンドゥージ

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15分程度ながらアーセナルデビューを果たした新加入のゲンドゥージ。右ボランチに入ると、何度もポジショニングを変えて効果的な位置でボールを受ける動きを見せ、さらに、右サイドのルーカス・ペレスが中に絞り気味であったため、空いている右サイドのスペースをうまく使って突破を図ろうとするシーンもあった。

短い時間ながらもポテンシャルの高さを垣間見せ、これから周りと連携を深めていけば、十分にトップチームでも出場機会を与えられる存在になるだろう。

フィットするのはこれからか?パパスタソプーロス

相手の実力差があっただけに、ほとんど攻め込まれるシーンは無かったものの、2回ほど深い位置まで進入されたときに、スピードで交わされたように見えたパパスタソプーロス。それでも完全に振り切られるのではなく、最後まで粘り強くプレッシャーをかけていた。まだコンディションが上がってきていないのかもしれず、これからチームにフィットしてきたときのパフォーマンスを期待したい。ビルドアップも得意なはずであり、よりレベルの高い試合になったときに、その能力の高さが発揮されるかもしれない。

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残留の当落線上のルーカス・ペレス

後半に出場し、始めは2トップの一角、終盤は右シャドーのような位置でプレーしたルーカス・ペレスキープ力の高さ周りを活かすプレーは見せたものの、シュートに持ち込むシーンはそれほど多く作れなかったか。残留できるか微妙な立ち位置であり、今後のプレシーズンマッチでもそのパフォーマンスを見極められるだろう。左利きという点も魅力的であり、プレースタイルもラカゼットオーバメヤンとは異なることから、アクセントを付けられる選手として残留を勝ち取ることができるか注目していきたい。

ICCではチームの構築と若手の見極めがポイントとなるか

ついに始動した新生アーセナルは、続いてビッグクラブたちが激突するインターナショナルチャンピオンズカップに臨む。アーセナルは、アトレティコ・マドリーPSGチェルシーとの3試合が予定されている。いずれも強敵であるが、エメリによる新チームの実力を見極めるには絶好の機会となるだろう。

ワールドカップ出場組がどこまで合流するかわからないが、レギュラー組のテスト戦術の浸透度の確認などが行われるだろう。それと同時に、若手にも一定のチャンスが与えられるはずである。この試合ほどの出場時間は与えられないかもしれないが、少ないチャンスでアピールに成功すれば、ナイルズネルソンエンケティアのように、トップチームに帯同していくチャンスも出てくるだろう。