注目されるエメリの起用法。3つのキーポイントとは?【アーセナル 2018/19シーズン】

2018年7月25日プレミアリーグ

アーセナル エメリ 起用法

エメリは誰を起用するのか?カギとなる3つのポイント

エメリはアーセナルでどのようなフォーメーションを採用するだろうか?また、誰を主力として起用するだろうか?

エメリの過去の戦術傾向などもあるかもしれないが、ここではアーセナルのメンバーの特徴を踏まえて考えていきたい。特に、豊富な戦力が揃いつつある前線と中盤の選手にフォーカスを当てていく。

前線と中盤で間違いなくレギュラークラスと考えられるのが、オーバメヤンラカゼットエジルムヒタリアンラムジージャカトレイラの7名となるだろう。しかし、DFラインを4バックと考えると残るポジションは6つ。この7名の中でDFラインで起用できる選手もいないことから、少なくとも誰か1人はベンチスタートが確実となる。

これを踏まえてエメリの起用法を考えていくうえで、カギとなるポイントが3つある

POINT

① オーバメヤンとラカゼットは同時起用されるのか?

② ラムジーはどのポジションで起用されるのか?

③ ジャカとトレイラは同時起用されるのか?

POINT①:オーバメヤンとラカゼットの同時起用

プレシーズン前には、オーバメヤンをトップで起用し、ラカゼットを控えにするという情報がチラホラ聞こえてきていた。しかし、プレシーズンを通して、オーバメヤンを左ラカゼットをトップとして同時起用する時間帯は多く、有力な選択肢の1つとなっていることは間違いないだろう。

相手のレベルを考慮したとしても、ボアハムウッド戦でのオーバメヤンの3得点のうち、流れの中での2得点については、オーバメヤンをワイド起用することのメリットを感じさせるものであった。オーバメヤン、ラカゼットともに、自分で決める力のみでなく、周りを活かすプレーができ、柔軟性を持っている選手たちである。オーバメヤンをワイドで起用したとしても、流れの中で2トップになったり、ラカゼットがサイドに開いてオーバメヤンが中に入る、といった形も自然と作れる2人であるはずである。決定力のある2人が流動的に動けば、相手DFにとってはかなりの脅威となることだろう。

当然ながら、怪我やコンディション不良でどちらか一方しか起用できないケースもある。しかし、2人を同時起用した場合の攻撃力はリーグ屈指のものとなるはずであり、是非とも採用してほしい形である。

一方で、オーバメヤンをスタメン起用し、ラカゼットがベンチスタートとなった場合、試合途中で流れを変える交代枠という意味では、非常に有効なものとなるだろう。直接2人を交代するのではなく、試合途中から2トップに変更するというオプションにもなりうる。

果たしてエメリはワールドクラスのストライカー2人をどのように起用するのだろうか。

POINT②:ラムジーの起用ポジション

ラムジーは主に2列目中央をメインとしてプレーする選手である。サイドやシャドーもそつなくこなすが、どのポジションで起用されたとしても、ペナルティーエリア内でゴールに絡むような仕事を好む傾向にある。

そのラムジーが2シーズン前のアーセナルの3バック採用に伴い、ボランチで起用されるようになった。しかし、蓋を開けてみると、スタートポジションはボランチながら、ボールが動き始めるとすぐにペナルティーエリアに近づき、シャドーのポジションに入っていたエジルと実質ポジションチェンジしているような状況であった。これが、チームとしての約束事であったのか、エジルがビルドアップの詰まりを見兼ねて自然とこの形になったのかはわからない。しかし、この状態でボールを奪われると、ボランチの位置にジャカしかおらず、広大なスペースを使われてカウンターを受けて、そのまま失点やピンチにつながるシーンが何度も繰り返された。

これはそもそも、攻撃面でも守備面でも戦術の整備が曖昧であったことと、1人でカウンターを止まられるほどジャカの守備能力が高くないことの2点が原因となっている。

一方で、ラムジーのボランチ起用による攻撃面でのメリットは大きい。ボランチの位置から上がってくることでDFとしては捕まえづらく、FWを追い越すプレーがゴールにつながるシーンもあり、攻撃にアクセントを付ける存在になっていたのは間違いない。

このラムジーの長所をそのまま活かすために、デメリットである守備面の改善ができれば、ラムジーのボランチ起用は今後もあり得ると考えられる。戦術家のエメリが守備戦術を整備し直すことは間違いなく、そしてボランチのNEWフェイスとして獲得したトレイラの守備能力の高さによって、これが実現するのではないだろうか。

 

POINT③:ジャカとトレイラの同時起用

加入当初は批判も多かったものの、今や欠かせない存在となったジャカであるが、トレイラの獲得によりその立場はどのような影響を受けるだろうか。

ジャカと言えば、ピンポイントのロングパスがなんといっても持ち味であり、それを活かすために低い位置に留まることが多い。そして、新加入のトレイラは、守備能力に優れながらも、攻撃でも長短のパスで展開できる能力を持つ。

トレイラジャカよりも前にボールを運ぶ能力があると考えられるが、守備能力の高さを活かすのであれば、低い位置に残しておくほうが効果的であると考えられる。実際、ワールドカップのウルグアイ代表でもアンカーとして起用されていた。

アンカーが適正ポジションと考えられるジャカとトレイラが同時起用されることはあるのだろうか?

ジャカとトレイラをダブルボランチとして同時起用した場合、プレースタイルを考えると、ジャカが後ろに残りトレイラがより前線に絡むような動きとなることが予想される。しかしそれでは、トレイラの守備能力を活かしきれないかもしれない。

と考えると、エメリの中で、トレイラ>ジャカ、と考えてもおかしくないだろう。そして、ダブルボランチであるとすると、もう1枚はより攻撃において貢献できるタイプのほうがベストであり、ラムジーがベストチョイスとなるかもしれない。また、プレシーズンで好パフォーマンスを披露した新加入のゲンドゥージもトレイラやジャカと同じく低めでプレーする選手であり、経験値や安定感も踏まえ、序列は少し下げるかもしれない。また、ナイルズやエルネニーはよりバランサータイプと言えるだろう。

守備での安定感を出しつつも前線の攻撃陣の破壊力に頼るという意味では、トレイラとジャカのダブルボランチでもよいかもしれない。より攻撃にアクセントを付けたい場合は、トレイラとラムジーというコンビがチョイスされるのではないだろうか。

新生アーセナルでの戦術家エメリの手腕に期待したい

低迷していたアーセナルを引き継ぎ、昨季と今夏の獲得選手がスタメンの約半分を占めることになりそうな中、エメリにとってはある意味0からアーセナルを作り上げることができる状況だろう。戦力としては充実してきており、しっかりと戦術を落とし込んでチームとしての機能性を高めれば、またプレミアリーグで優勝争いをするだけのポテンシャルは持っているはずである。新生アーセナルにおいて、エメリがチームをどのようにまとめていくのか、非常に楽しみである。