急造DFラインで耐えきれず。サウサンプトン 対 アーセナル レビュー【2018/19プレミア第17節】

2018年12月19日アーセナル

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試合結果とフォーメーション

試合結果

2018/12/16 プレミアリーグ第17節
サウサンプトン 3-2 アーセナル

20分 イングス
28分 ムヒタリアン

44分 イングス
53分 ムヒタリアン
85分 オースティン 

前半

 

2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル スタメンとフォーメーション

【サウサンプトン】基本:3-4-2-1 守備:5-2-3
【アーセナル】基本:3-4-2-1 守備:3-4-3

 

アーセナルは、パパスタソプーロスが出場停止、ムスタフィが負傷&出場停止という状況の中、さらにコラシナツも練習で負傷する緊急事態。注目されたDFラインは、CBが少ない中でも3バックを採用し、真ん中には直前のELで復帰したばかりのコシェルニー、そしてSBが本職のリヒトシュタイナー、さらには驚きのジャカという3枚で構成。

両チームともに3-4-2-1を採用し、攻守で噛み合わせとなる布陣。

先制したのはサウサンプトン。19分、ターゲットが左サイドからアーリークロスを上げると、これがゴール前でピンポイントでイングスに届き、ゴールネットを揺らす。

追いかけるアーセナルは27分、左サイドでイウォビのスルーパスに抜け出したモンレアルが冷静にマイナスのクロスを上げると、ムヒタリアンがドンピシャで合わせてゴールネットを揺らす。アーセナルが同点に追いつく。

アーセナルがボールを保持しつつもなかなか崩せないでいると、43分、右サイドハーフスペースあたりでボールを受けたレドモンドが素早くゴール前にボールを送ると、またしてもイングスがピンポイントで合わせてゴールネットを揺らす。

サウサンプトンが1点リードして前半を折り返す。

アーセナルのビルドアップとサウサンプトンの守備

2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル スタメンとフォーメーション

アーセナルのビルドアップ時サウサンプトンはそれほど前から強くプレスはかけず前線と中盤で五角形を作るように中央を封鎖し、ボランチへのパスを通させず、さらにはアーセナルの2シャドーがハーフスペースでボールを受けようとするプレーも封じようとした。

左右のCBやWBにボールが渡った際にはサウサンプトンはサイドに圧縮して守るため、そこからの前進も困難になり、アーセナルはなかなか前線にボールを運べないシーンが目立った。

2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル スタメンとフォーメーション

アーセナルは、ゲンドゥージが低めに下りたりサイドに開いたりして五角形の外でボールを受ける動きを徐々に見せるものの、相手のバランスは崩れること無く効果的な動きとはならなかった。

その他の狙いとして、コシェルニーからムヒタリアンへの縦パスが2,3回通る場面が見られた。ロメウの脇のスペースでムヒタリアンがうまくボールを受ける形であり、効果的なプレーであるものの、すぐに寄せられるためにビッグチャンスとはならず。

また、リヒトシュタイナーがサイドライン際でボールを持ったときには、バイタルエリアやCB裏のスペース(右サイド奥のスペース)を狙ったロングボールを出す場面も2,3回見られた。しかしこれは、サイドに追い詰められて、それしか選択肢がなかったという見方もできるかもしれない。

サウサンプトンのビルドアップとアーセナルの守備

サウサンプトンのビルドアップに対して、アーセナル前線3枚でプレスをかけ、さらにボランチとWBも前から強めにプレスをかけていた。これは最近のアーセナルが3バックで臨んだときにはお馴染みとなっている守備である。

これによりサウサンプトンは低めからのビルドアップがスムーズに運べず、前線へのロングボールを選択するシーンが増えた。

前半のスタッツ

前半のスタッツ
(左:サウサンプトン、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル 2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル

前半、サウサンプトンが効果的にシュートまで結びつけ、シュート数で大きく差をつけた。アーセナルはわずかにシュート3本と封じ込まれたものの、1ゴールを奪った。

後半

2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル スタメンとフォーメーション

【サウサンプトン】基本:3-4-2-1 守備:5-3-2
【アーセナル】基本:4-4-2 守備:4-4-2

 

アーセナルは、前半終了間際に負傷したベジェリンに代えてラカゼットを投入し、4-4-2に変更ジャカはそのままCBに。

アーセナルのビルドアップとサウサンプトンの守備

後半になると、アーセナル4バックに変更したことで、サウサンプトンもすぐに修正してシャドーの左右を入れ替えアームストロングが低めの位置を取ることで、五角形を2-3から3-2の形に変更して対応した。

これにより、CBへの一定の圧力は維持しながらも、中盤の3枚がスライドすることで、アーセナルのSBとシャドーにサイドから崩されることを抑制した

前半同様に効果的な前進はできないアーセナルであるものの、前線の枚数が1枚多くなったことで、前線へのロングボールからのつなぎやセカンドボールの回収がしやすくなり、結果的に前線へボールをつなぐシーンが増えていった。

サウサンプトンのビルドアップとアーセナルの守備

アーセナルが2トップに変更したことで、サウサンプトンは後方でのボール回しに余裕が生まれ、ショートパスを繋いでの前進がしやすくなった。しかしこれにより、アーセナルボール奪取後のカウンターのチャンスも増えていった。

 

前線の枚数を増やして逆転を目指すアーセナルは後半早々にチャンスを重ねると、52分、高い位置でボールを奪うと、ラカゼットからパスを受けたムヒタリアンがDFを前にしながらも強引に打ったシュートがディフレクションしてゴールネットへ。アーセナルが同点に追いつく。

その後もアーセナルのボール保持が続くもゴールを奪えずにいると、84分、カウンターでロングが抜け出すと、アーセナルのDFのポジショニングが整っていないPAへ早めにクロス。これがオースティンの頭に合い、終盤にサウサンプトンが勝ち越しに成功する。

そのままアーセナルは得点は奪えず、サウサンプトンが3-2で勝利を掴んだ。

後半のスタッツ

後半のスタッツ
(左:サウサンプトン、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル 2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル

後半は押し込む時間も増えたアーセナルであるが、ビッグチャンス2つを決められず。逆にサウサンプトンシュート3本に終わったものの、終盤の見事なカウンターをゴールに結びつけ、勝利を掴んだ。

 

【PickUpData】ゴール前で精度の高さを発揮したサウサンプトン

マッチスタッツ
(左:サウサンプトン、右:アーセナル)
引用:SofaScore.com2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル 2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル

うまく守られながらもビッグチャンス4つ作っていたアーセナルであるが、決めたのは1本のみ。もう1点はディフレクションもあってのもの。サウサンプトンは見事にチャンスを活かしきって3得点を奪った。

平均ポジション
(左:サウサンプトン、右:アーセナル)
引用:whoscored.com2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル 攻撃サイド
(左:サウサンプトン、右:アーセナル)
引用:whoscored.com 2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル

両チームともに中央を圧縮したためサイドでの攻防が目立った。特にアーセナルはその傾向が顕著である。

ヒートマップ
(左:サウサンプトン、右:アーセナル)
引用:whoscored.com 2018/2019 プレミア 17節 サウサンプトン対アーセナル

中央を封鎖されてサイドから前進するしかなかったアーセナルはサイド深くまで進入できているものの、バイタルエリアやPA内にはあまり進入できていなかったのが表れている。

サウサンプトンも同じくPA内にはほとんど進入できていないものの、アーリークロスからうまく得点につなげたと言えるだろう。

ゴール期待値
引用:BetweenThePosts

ゴール期待値は、アーセナル0.92点に対して、サウサンプトン1.1点。両チームともに少ないチャンスをものにした印象通り、スコアとゴール期待値に大きく差が出る結果となった。

アーセナルのパスマップ
引用:BetweenThePosts

アーセナルのパスマップを見ると、後方とサイドしかボールを繋げず、特に前線のオーバメヤンに全くボールを繋げなかったことがよく表れている。

サウサンプトンのパスマップ
引用:BetweenThePosts

サウサンプトンのパスマップを見ると、全体的にパスは少ないものの、ボランチやシャドーが中央寄りでうまくパス交換に絡めており、特にアシストで貢献したターゲットレドモンドのプレーへの関与の多さが目立っている。

【PickUpData】後方で活かしきれなかったジャカのパス

アーセナルのパススタッツ
引用:whoscored.com

アーセナルのパススタッツを見ると、左CBでフル出場したジャカがチーム最多の111本パスを出しており、ロングボール15本中7本成功という数字を出して特徴を活かしたと言えるものの、ボランチの時ほど効果的なパスであったかは疑問が残る。

途中出場のエジルであるが、キーパス2本パス12本成功率91.7%クロス2本中2本成功というスタッツを残しており、30分ほどの出場の中で、打開するための一定のプレーを見せていたと言えるのでないだろうか。途中出場ながら守備意識の低さで叩かれているが、復帰直後のプレーでもあり、コンディションもまだ万全ではないのかもしれない。次こそトップフォームで好プレーを見せてくれることを期待したい。

サウサンプトンのパススタッツ
引用:whoscored.com

先制点をアシストしたターゲットが、キーパス数3本クロス7本中3本成功し、勝利に貢献している。

シャドーに入ったアームストロングレドモンドもそれぞれキーパス3本を記録しており、少ないチャンスでゴールを脅かしたと言えるだろう。

 

クロス対応の甘さから3失点したアーセナル

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長期離脱から復帰後で試合感に不安があるコシェルニーとCBが本職でないリヒトシュタイナージャカという急造DFラインに対して、サウサンプトンは明らかにアーリークロスを狙っていたように見えた。

これは、CB間の連携の悪さ本職でないことによるポジショニングの甘さを突こうとしたのではないだろうか。3得点とも、クロスの精度が非常に高かった点は褒めるべきであるものの、すべてコシェルニーの頭上を超えており、1・2点目はCB2人の間でピンポイントで合わされてしまっている。

コシェルニーのみのミスとは言い切れないものの、今後のパフォーマンスに不安が残る内容となった。

 

連続無敗が22でストップ。変わらず緊急事態のDFラインで踏ん張れるか

この試合でベジェリンリヒトシュタイナーまで負傷。CBに続きSBまで緊急事態。出場停止となっていたパパスタソプーロスが復帰できる点はせめてもの救いであるが、ハードスケジュールが続く中、少ない選択肢のDFラインでどこまで踏ん張れるかがターニングポイントとなるだろう。

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